新潮文庫<br> 読書する女

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新潮文庫
読書する女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 189p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102298015
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

「出張して本を読みます。文学書、ノンフィクション、その他何でも」幻想的熱情、性的憧憬、頽廃的媚薬―どんな本でも美しい声で朗読するマリー=コンスタンス。車椅子の少年にモーパッサンの官能的な短編を、革命好きの女伯爵にマルクスを、多忙な実業家に愛のレッスン付きで教養書を。だけど老判事が強要した「ソドムの120日」は…。マリーが体験する不思議な危険な《愛の時間》。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

毒兎真暗ミサ【副長】

13
【映画】少し古めかしい仏の現代劇中劇。下級層の女性マリーが「朗読者」を始め、色々お宅を訪問する。依頼主は車椅子の青年、将軍の未亡人、ある社長……と様々で、本もモーパッサンやマルクスと多彩なのだが、その内容と大人の事情が横行し、ブラックユーモアと皮肉の応酬が痛快。映画「アメリ」を彷彿とさせるテンポ(しかし恐らくこちらが本家)や妖艶なシーンが軽快且つ爽やかで、マリーの行動力も「それやっちゃうよね〜」と童心に帰る事間違いなしの茶目っ気満載!女性の深みある可愛さを知るならこの作品!!是非とも理想像を変えて下さい。2022/06/08

渡邊利道

8
魅力的な人妻マリーは、友人にそそのかされ、他人の家を訪れて朗読する仕事を始める。ところがお客は変人ばかりで、という物語。コケティッシュで、皮肉なユーモアが効いていて、淡々と進む大人の雰囲気のある洒落た小説で、とても軽く楽しく読めるのでおりに触れてというかちょっと煮詰まったときの気分転換についつい読み返してしまう。朗読=引用されるのはモーパッサン、マルクス、クロード・シモン、ボードレール、そしてサド。映画版も面白いのでオススメ。2018/09/25

topo

7
どんな本でも魅惑的な声で朗読する主人公。個性的な依頼者たち。仏文学らしいしっとりお洒落な雰囲気から一転、不可思議で滑稽な場面の数々。圧巻はサドを読ませる老判事。 仏語は聞くより聴くというイメージ。 どんな書物も美しい音を奏でそう。五感が喜ぶ作品でした。 2019/05/23

GIN@本棚大洪水中

7
★★★☆朗読は人に向けて行われるというごく当たり前なことが再確認できる。朗読家と聞き手との間に何らかの形でつながっているということが読み取れる。 作者が主張したいことがあちらこちらに含まれている点。本というものは、文学かつ作者の思想や評論が交わって成立しているのではないかと考えた。 2012/02/12

くまこ

6
谷崎潤一郎の書く関西弁に萌えるタイプなので、朗読フェチもしくは声フェチという嗜好は興味深かった。映画だと印象も違うのかもしれないが、小説としては主人公が何をしたいのかよくわからなく、イメージをつかむことができなかった。官能小説的な作品と言えなくもないから、雰囲気を味わえばいいのだろうか。作中に登場した本の一覧が解説に載っていて、とてもよかった。2015/07/08

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