内容説明
20世紀末のある日、ニューメキシコ砂漠の天文台が、奇妙な電波信号をキャッチした。それは厖大な素数系列で、発信源は26光年彼方のヴェガ系惑星と判明した。地球外知的生物からの電波探査機関〈アーガス〉の責任者エリーが、待ち望んだ瞬間だった。世界の専門家が協力しついに信号は映像化されたが、スクリーンに現われたのは、あまりにも意外な…。著名な天文学者の処女小説。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
71
もし宇宙のどこかに生命体が存在するとして、その生命体が人間以上の知能を持っていたとしても、全く違った環境に育ったその生命体と人間との意思の疎通は、果たして可能なのか。本職の天文学者だけに、宇宙に関する研究やメッセージ受信の場面など、かなりリアル。宇宙から送られてきたメッセージに対する様々な立場の人々の対応の相違、引き起こされるごたごたは、本当にこういったことが起きた時を想定しての、作者の警告のようだ。2017/07/26
ぐうぐう
16
学者が小説を書く動機として、自分の主張に物語を必要とするケースが考えられる。カール・セーガン初の小説『コンタクト』は、まさしくセーガンの主張が、物語を欲したのだ。異星人とのファーストコンタクトを信じる女性を、その少女時代から描くことで肉付けし、しかし少女のロマンとして終わらすのではなく、彼女を政治の、国家間の、そして宗教との闘争に巻き込ませることで、実に現代的な批評性をこの小説にもたらせることに成功している。しかし何よりもこの小説には、小説ならではのドラマがある。(つづく)2013/06/26
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
10
昔映画で見て感動したのを覚えている。その過去の記憶がこの小説と出会ったキッカケだ。本を読むというクセが全くなかった自分なので、用語や学問的なことはちんぷんかんぷんでとても難解だ。時間は相当かかるが、頑張って読みすすめて行くと、この広大な宇宙に思いを馳せている自分がいる。宇宙は不思議のかたまりであり偉大である。科学。宗教。民族。哲学。そして宇宙。壮大なコンタクトに向けて、色々な人や思いが織りなすドラマ。エリーの行き着く先は?下巻に乞うご期待。2016/09/01
稽子
9
普段は上巻にまとめて感想書くんですけど、これは分けます。読みづらい。 p.164端倪(たんげい)/物事の在り方・成り行きを見通すこと。p.184爾来(じらい)/その後。それ以来。p.190艶福(えんぷく)/多くの異性に愛されること。多く、男性が女性にもてる場合にいう。p.225蝟集(いしゅう)/一か所に群がり集まること。p.258慰藉(いしゃ)/なぐさめていたわること。同情して、またはすまないと思って、なぐさめること。p.269渇仰(かつごう)/仏教で、仏を心から仰ぎ慕うこと。深く慕うこと。2024/01/19
モトラッド@積読本消化中
9
★★★☆ <下>巻にレビューします。2016/02/06