内容説明
昨今続発する映画を真似た娼婦殺人事件と、20年前遭遇した殺人との類似―。インドを舞台に奇想天外な物語が絡み合う、巨匠異色の大長編。
著者等紹介
アーヴィング,ジョン[アーヴィング,ジョン][Irving,John]
1942年アメリカ、ニューハンプシャー州生れ。ニューハンプシャー大学を卒業後、レスリングのためにピッツバーグ大学に通学、その後ウィーン大学に留学、ヨーロッパをオートバイで放浪する。帰国後アイオワ大学創作科でヴォネガットの指導を受けた。後にはレイモンド・カーヴァーとともに後進の指導にあたる。’68年『熊を放つ』でデビュー、’78年『ガープの世界』を発表し世界的なベストセラーとなった。他の主な著書に『ホテル・ニューハンプシャー』『サイダーハウス・ルール』などがある。現代アメリカ文学の旗手と称される
岸本佐知子[キシモトサチコ]
1960年横浜市生れ。上智大学文学部英文科卒業。エッセイ集に『気になる部分』『ねにもつタイプ』(第23回講談社エッセイ賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
73
【誕生日読書】カナダにすむインド人医師ファルークは、自分の居場所がどこにもないと感じ、焦燥感にかられている。彼は、ダー警部シリーズというインド映画の脚本も書いているのだが、インドに帰省中、所属しているクラブで殺人事件が起こり、どうやら、このダー警部への警告であるらしい。インド、サーカス、小人、同性愛と、いつもながらのアーヴィングの猥雑な世界にどっぷりと浸りながら、犯人探しへ。2020/03/02
田中
29
カナダに住んでいるインド人整形医師ファルークは、たびたびインドに戻る。そんなときにゴルフ場で起きた怪死事件を巡る奇妙奇天烈な話である。インドの映画俳優、サーカスの小人、女装した売春夫、身体に欠陥ある乞食の子供、宗教的狂信者、ハリウッド女優らがごたまぜに登場するのだ。これらの人々がカオスのようなインド社会を背景に、訳の分からないでき事に拍車がかかる。小刻みで断面的なエピソードが次から次と押し寄せなから進むのだ。いったいこれから何が起こるのか、全く予測不能である。とても長いが飽きずに読めてしまう。2021/10/24
ソングライン
19
ダルワラはカナダの整形外科医、出身地のインド、ボンベイに定期的に戻り、父の残した病院で骨奇形の治療をしています。理事を務めるスポーツクラブでおこる殺人事件、死者の腹部に描かれる像の絵、それは20年前の殺人事件の際に描かれていた絵と同じものでした。40年前、父が世話をしたハリウッド女優が生んだ双子、事件を追う刑事、そして凶悪な殺人犯人、ダルワラの身辺に運命の人々が。次第に物語に心奪われていきます。下巻へ。2021/12/23
たかっさ
10
アーヴィング的"次にどうなるか知りたいから読み進めたくなる"、"ドタバタ悲喜劇仕込満載"。あぁ、でも、"おバカな"共感するけど笑ってしまう青春と熊は、登場しないのかな。一気に下巻へGO!2025/05/20
kemonoda
10
アーヴィングの小説の中でもインドを舞台とした異色作。初読のときに全然腑に落ちなくてしっくりこなくて読むのにずいぶん時間がかかった記憶がありまして、今回なんとなく「今からわかるのでは」と思って再挑戦。面白く読んでます(やはり若干時間はかかりますが)。今読むと、しっかりアーヴィングの小説です。上巻のほとんどが主人公の回想で、現在時制での物語がほとんど進行しないというのがとにかくまどろっこしい・・・それが読み辛いひとつのポイントであるのだけれど、それはそれとして物語がとにかく面白いのでまどろっこしく読んでます。2014/01/17
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- 和書
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