内容説明
1990年、いまや世界的人気作家のルースは、三文小説家のエディと再会する。母マリアンについて訊ねるルース。マリアンを忘れられないエディ。それから5年後、ルースは幼子を抱えた未亡人。エディは相変わらずの独身暮らし。そこに謎のミステリ作家の存在がからみあって…。―『ガープの世界』以降、もっとも愉快で説得力のあるアーヴィングの最高傑作!(ニューヨークタイムズ)。
著者等紹介
アーヴィング,ジョン[アーヴィング,ジョン][Irving,John]
1942年、ニューハンプシャー州生れ。ニューハンプシャー大学卒。ピッツバーグ大学に通学後、ウィーン大学に留学。帰国後、アイオワ大学創作科でヴォネガットの指導を受けた。’68年『熊を放つ』でデビュー。’78年『ガープの世界』が世界的ベストセラーになり、アメリカの次代を担う作家として注目される
都甲幸治[トコウコウジ]
1969年、福岡生れ。東京大学卒。早稲田大学文学部専任講師
中川千帆[ナカガワチホ]
東京生れ。東京大学総合文化研究科修士課程修了。アリゾナ州立大学英文学科Ph.D.取得
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中
23
アーヴィングを読み終わるといつも心が揺さぶられる。作家が苦労して架空話を創るのはなぜか?僕は分かる気がした。アーヴィングは「物語」そのものに存在する顕在力を推進する。読者に深い浸透力を企図する作家だと思う。「エリオットの一節」「イェーツの詩」は感動した。犯罪小説のような趣の中で小説家が物語を創作する手法が詳述される。マリアン、ルース、エディの三人は「作家」だけど「読者」でもある。それぞれの本から体験的視覚を授与される。いち読者のハリーは作者と結婚。「物語」をくぐるからこそ、夢のような繋がりが生まれるのだ。2018/01/02
tom
22
アービングはいいなあ。面白い。登場人物は、母に捨てられた女小説家。その母を想い、ひたすら年上女性との恋物語を書く小説家。主人公の女友達で、男を求め続けるジャーナリスト。子どもを失った悲しさから、そのことを小説に書き続ける母。女道楽に狂う童話作家の父。そして売春街を仕事場にしていた警官。こんな登場人物が出てきて、小説にしてしまうなんて、これはとんでもなく凄いこと。最後に出てきた「悲しみは感染する」は、この本をまとめる名句と思った次第。この際、アービングの全巻読破に挑戦してみようかと思ったのでした。2020/05/02
meg
8
すばらしかった!アーヴィング! 映画版もみてみたい。 想い出って、小説を読むこともそうだよな。2023/11/22
ギルヲ
4
面白かったという感想しか出ない私は小学生以下ですね(笑)上巻のスラップスティックな部分が無くなっているのはちょっと不満ですが、上巻では未熟者がドタバタしていたわけだから、登場人物の身に時が流れてしまった下巻ではドタバタしないのは仕方なし、かな。歳をとって皆落ち着いてきているんだけれど、実は誰もたいして成長していないところが、う~ん、なるほどなあ。いろいろ考えちゃいました。面白かったです(結局それか)。2019/07/23
逍遥遊
4
69-03-20190710 なんだー。ルースとエディがいつセクロスするかって、ワクワクしてたのに。多少中弛みしてるけど、最後はハッピーエンドでよかったね。途中、日本人が出てきて、穴兄弟になることについて、文化の違いで理解出来ないだろうという箇所には笑った。でも、本当に欧米人は誰とでも気安くセクロスするのかな?2019/07/10