内容説明
1785年7月12日、マリー・アントワネットに王室御用達宝石商から手紙が届いた。文面は160万リーブルの首飾りを王妃が買い上げたことに感謝する内容。身に覚えのない彼女はまったく理解できず、手紙を焼き捨ててしまう。ルイ王朝最大のスキャンダル、「王妃の首飾り事件」の発端である。フランス革命に火をつけ、王妃を断頭台に送った一大事件の首謀者は、孤独で幸薄い一人の女だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おれんじぺこ♪(16年生)
28
これのDVDを見る機会があったので借りてみた1冊。ラモット夫人の独白のようにマリー側からではなく描かれる首飾り事件。これもまた面白い。2018/12/17
クナコ
12
初読。映画ノベライズ本。映画未視聴。日常的に外国古典を読むので本書も(ベルばら好きもあり)似たような気分で読んだ。しかしやはり現代人が昔を舞台に物語るのと、昔の人が同時代的な作品として物語るのには隔たりがある。なんというか、慇懃さが足りない。内容が上品とか下品とか、時代考証に問題があるとかではない。登場人物の言葉選びだとか、考え方自体が現代人のそれと同じで、まるで現代人が当時の衣装を着て演じている、という歴史エンタメ映画以上のものではなかった。純粋に映画のノベライズとしてなら何の問題もないのだろう。2020/03/12
みなみ
11
有名な「首飾り事件」をジャンヌ側から描いた物語。「べるばら」世代だと必ず読みたくなる本ですよね。違った視点で書かれると考え方が変わり、面白かったです。2020/01/12
AMBER
4
マリーアントワネットを読んだら、首飾り事件も詳しく読まないとね!やっぱり読んでよかったです。面白さが更に増して「そんな、大それた陰謀が影で動いていたのか~」って思ったし、内情をしるとマリーアントワネットが少し気の毒に思えてしまいます。でも、彼女は国を滅ばすぐらいの大失態を重ねてるので、この事件も仕方がないのでしょうね。ジャンヌ伯爵婦人と取り巻きが起こした詐欺事件、家名を取り戻す為の手段で、ここまでの話になるとは!また、マリーアントワネットに似ている娼婦オリヴァの存在にはびっくりしました。2016/05/12
なつん
3
ヴァロア家の末裔を名乗るジャンヌの一生が軸におかれた哀しくも熱い作品ですが、私にはマリー・アントワネットの悲痛な叫びが印象的でした。また、同じように王家の血を引きながらも異なった人生を歩み、悲しい死を迎えた2人の女性が、数分の雪の中での謁見で心を通わせたシーンには考えさせられるものがありました。環境が違えば、彼女たちは素晴らしい友人になったのではないでしょうか。しかし、このような状況下だったからこそ心が通じたのかもしれない、とも思え、その運命の皮肉が切なく思えます。2012/11/27