新潮文庫
現代が受けている挑戦

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 371p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102230213
  • NDC分類 304
  • Cコード C0198

内容説明

「現代社会が受けている最大の挑戦は、諸文明がお互いに対立し、分裂を深めている状況の中にある」。’60年代にトインビーが投げかけた問題は、いまだ解決していない。古代ギリシア・ローマ、中国、オスマントルコの例をあげながら、トインビーは人種・民族・宗教の違いを乗り越えて、世界国家を作る道を模索する。世紀を超えても色あせぬ、比較文明論の金字塔。待望の復刊文庫化。

目次

第1部 現代が受けている挑戦(過去からの照明、その価値と限界;人間性における不変の要素;人間の歴史における加速的変化;歴史に見られる分裂と統合の動き;社会の分裂的な構造の利点と弱点;分裂感情の激化)
第2部 政治に秩序が絶対に必要であることについて(世界国家の意義;世界的規模の世界国家は実現可能か)
第3部 自由のための宗教に依然として残されている余地(世界宗教の意義;各高等宗教の融合は望ましいか)
第4部 生活に与えた技術の衝撃(人口、都市化、過密;機械化、組織化、倦怠;富裕と余暇)

著者等紹介

トインビー,A.J.[トインビー,A.J.][Toynbee,Arnold J.]
1889‐1975。歴史を専攻した母親のもとで幼年時代からイギリス史に親しみ、オクスフォード大学卒業後、アテネに住んで考古学を研究。第一次大戦中に外務省政治情報部に入り、パリ講和会議に外交官として列席した。その後、ロンドン大学教授、王立国際問題研究所長、外務省調査部長などを歴任。’29、’56、’67年の3度にわたって来日。東洋史、日本史の専門家や宗教家たちと討論を行い、「トインビー・市民の会」の結成など、大きな影響力をもたらした

吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912‐1977。英文学者、作家。ケンブリッジ大学でイギリス文学を専攻。帰国後、評論家、英文学者として活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

10
「世界国家の建設には共通の文明という絆が不可欠であるが、それだけでは十分ではない。もし政府が実際に権力をもっていなかったら、社会的、文化的な連帯が国家を存立させることはできない…その主権の下にあるすべての人間、あらゆるものに対してその意志を強いる力がなければ政府などとは言えない」⚪解説「東洋思想に深い理解と愛着を寄せた彼は、あまり定見なくそれらを評価する傾向があり、南アジアから東アジアに芽生えた新興の宗教運動を手放しに讚美してしまう嫌いがみてとれた。こうした態度が日本の知識層に訝しく映った」2018/02/01

にゃんにゃんこ

9
歴史、宗教、イデオロギー、国家、哲学と幅広い分野から著者の深い考察で、現代の私達の生きている社会を鋭く洞察する。歴史観や宗教観が特に勉強になった。かなり昔の本だが、古さは無い。面白さ652022/01/29

気遣い士人

3
タイトルの「挑戦」とは、世界政府・世界宗教・散在体(ディアスポラ)の問題に対する挑戦であり、それらによって世界的な秩序を模索すること。本書が刊行されたのは1966年。今から半世紀近く前だ。つまり今の我々はこの本の半世紀後の答え合わせができる立場にあるわけだが、世界政府と世界宗教に関しては今以て現実的とは言い難いし、その論が正しいのかは俺にはわからない。また、散在体に関しても、散在することによって民族が混ざり合うことなくマーブル状に向かい、人類の統合とは逆に向かっているのではないかという気もしている。2013/08/07

鉄鍋

2
今まで何冊かこんな訳の解らない読みづらい本に当たってしまったことがあるが最悪だった。頭の悪い奴は読むべきではない。2021/01/08

寝子

2
氏は知力と心情を二頭の馬に例え、歴史上常に勝っていた知力の速度が心情では御し難い水準になっているといい、最小限の世界政府と複数の多様な世界宗教を提案している、多分。2013/01/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16339
  • ご注意事項

最近チェックした商品