内容説明
「現代社会が受けている最大の挑戦は、諸文明がお互いに対立し、分裂を深めている状況の中にある」。’60年代にトインビーが投げかけた問題は、いまだ解決していない。古代ギリシア・ローマ、中国、オスマントルコの例をあげながら、トインビーは人種・民族・宗教の違いを乗り越えて、世界国家を作る道を模索する。世紀を超えても色あせぬ、比較文明論の金字塔。待望の復刊文庫化。
目次
第1部 現代が受けている挑戦(過去からの照明、その価値と限界;人間性における不変の要素;人間の歴史における加速的変化;歴史に見られる分裂と統合の動き;社会の分裂的な構造の利点と弱点;分裂感情の激化)
第2部 政治に秩序が絶対に必要であることについて(世界国家の意義;世界的規模の世界国家は実現可能か)
第3部 自由のための宗教に依然として残されている余地(世界宗教の意義;各高等宗教の融合は望ましいか)
第4部 生活に与えた技術の衝撃(人口、都市化、過密;機械化、組織化、倦怠;富裕と余暇)
著者等紹介
トインビー,A.J.[トインビー,A.J.][Toynbee,Arnold J.]
1889‐1975。歴史を専攻した母親のもとで幼年時代からイギリス史に親しみ、オクスフォード大学卒業後、アテネに住んで考古学を研究。第一次大戦中に外務省政治情報部に入り、パリ講和会議に外交官として列席した。その後、ロンドン大学教授、王立国際問題研究所長、外務省調査部長などを歴任。’29、’56、’67年の3度にわたって来日。東洋史、日本史の専門家や宗教家たちと討論を行い、「トインビー・市民の会」の結成など、大きな影響力をもたらした
吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912‐1977。英文学者、作家。ケンブリッジ大学でイギリス文学を専攻。帰国後、評論家、英文学者として活躍
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