内容説明
1851年のロンドン。私ウィルキー・コリンズは、先輩作家ディケンズとの夜ごとの散策がきっかけで辣腕刑事フィールドと出会い、奇しくも殺人事件の捜査に加わることになる。被害者は劇場の出資者兼顧問弁護士。容疑者の演出家も殺され、ディケンズが一目惚れした娘が現場から姿を消した―。若き日の文豪が殺人の謎に挑み、欲望渦巻くロンドンで冒険を繰り広げる、異色の探偵物語。
著者等紹介
パーマー,ウィリアム・J.[パーマー,ウィリアムJ.][Palmer,William J.]
米国パーデュー大学英語学教授。英米の文学や映画、創作コースを教えながら、チャールズ・ディケンズの小説や他の英米文学、ヨーロッパ文学に関して、数多くの論文を発表。本書を含めてディケンズを探偵役としたミステリー・シリーズ4作を発表している
宮脇孝雄[ミヤワキタカオ]
1954年高知県生れ。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家、エッセイスト
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感想・レビュー
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みさ
5
月長石の作者が語り役ということでトライ。19世紀作家が主人公なので、当時の作家の作品や豆知識があれこれ引用される、実にファン要素満載な作品であった。さらにディケンズの秘密の愛人との出会いが大きくクローズアップされ、歴史小説的な一面も濃厚である。ミステリとしては普通だが、これは作家ファンにはたまらないのだろうなあ。2022/12/21
きりぱい
4
ディケンズ像が変わる秘密!?辣腕の警部に手を貸し、嬉々としてスパイまでして事件の解明に挑むディケンズ!そしてその回想を密かに書き綴ったのは共に行動したウィルキー・コリンズ!面白くないわけがない!はず?作品や生涯とのリンクにニンマリしていたのに、なーもう!後半はあれよあれよときわどい描写が増えてきて、気がついたら色んな意味で血が通っていたディケンズとコリンズ。そういうのがないフィクションのお遊びだけでも十分面白かったのにな。まあ、タイトルである程度は想像がついてしかるべしなんですが・・。2011/05/13
まなな
0
ディケンズ像知らなくてかっこよくておもしろかったけどやっぱタイトルでいやな予感がしたのが当たってた2014/02/04
motopurin
0
後半は一気に読んだけど、そこに行くまでが長かった。2010/09/07