内容説明
追い詰められた専門家チーム。科学の限界が露呈する一方で、英国人天文学者オリヴァー・ウェッブは、17世紀当時に異端とされた稿本を思い出す。地動説を支持し、審問に付されたヴィンチェンツォ神父の『新現象』。そこに“ネメシス”の謎を解く鍵があると睨んだウェッブは急遽ローマに飛ぶ。呵責のない追跡と銃弾の雨。かろうじて稿本にたどりついたウェッブは恐るべき事実を知る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JACK
20
○ アメリカに堕ちると言われる小惑星ネメシスを探すため、集められた科学者たち。しかし、世界中の望遠鏡、コンピュータを駆使しても時間が足りない。そんなとき、英国人天文学者のウェッブは地動説を支持した神父の本「新現象」を思い出す。その本には17世紀当時の小惑星の記載があったはず。タイムリミットが近付く中、稿本を探すウェッブは襲われ、仲間を殺され、本を奪われる。敵は何者なのか。小惑星に滅ぼされる前にロシアに核攻撃すべきと主張する軍人達の暴走が怖い。ウェッブは変人だがヒロインのジュディは魅力的。2018/05/25
ニミッツクラス
2
いきなり死者が出てサスペンス色濃厚に。活劇の部分は眉唾な描写も多いが、一刻も早く先に進みたいのは主人公のみならず読者もそうで、あとで突っ込み入れたるわいと思いながら爆読した。クラークに激賞されたと言うだけあってとても面白い・・当然クラーク好みの内容でもあるから、クラーク好きな人は読んで損がない。訳者土屋氏のあとがきにもあるが、著者で天文学者ネイピアの専門以外の、たとえば軍事関係等の「該博な知識を縦横無尽に駆使」したエンタメ的な筆致と、伏線とその回収の構成には満足できるものがある。次も読む。★★★★☆☆2012/12/04
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