新潮文庫
素晴らしいアメリカ野球

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  • サイズ 文庫判/ページ数 697p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102200414
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

架空の球団の珍道中を描きつつ、アメリカの夢と神話を痛快に笑い飛ばした米文学屈指の問題作が禁断の復刊。《村上柴田翻訳堂》

偉大なるアメリカ小説、そいつを俺は書いてやる! 老スポーツ記者が語る、ジプシー球団マンディーズの放浪記。アル中の一塁手や片脚の捕手、最年長52歳の三塁手など、弱小ナインが次々と珍記録を樹立し、あげく反米スパイ事件の汚名を着せられて……。アメリカの夢と神話を痛快に笑い飛ばしたアメリカ文学史上、最凶の大問題作が、村上柴田翻訳堂シリーズで禁断の復刊!

内容説明

ギル・ガメシュはリーグ史上唯一審判を殺そうとした監督、一塁手ジョン・バールはアル中の凶状持ち、三塁手ウェイン・ヘケットは最年長52歳と、放浪球団マンディーズは厄介者だらけ!珍記録を次々と樹立し、あげく反米スパイ事件の汚名まで着せられて…。アメリカの夢と神話を痛快に笑い飛ばした、米文学史上最凶の大問題作が、「村上柴田翻訳堂」シリーズで38年ぶりに禁断の復刊!柴田元幸が全力投球した注釈を収録!村上春樹×柴田元幸「特別解説」付き!

著者等紹介

ロス,フィリップ[ロス,フィリップ] [Roth,Philip]
1933‐。アメリカ・ニュージャージー州生れ。シカゴ大学を卒業後、『さようならコロンバス』でデビュー。『ポートノイの不満』が年間ベストセラーに。2001年には第一回フランツ・カフカ賞を受けた。1997年にAmerican Pastoralでピュリッツァー賞受賞。1998年にはホワイトハウスで米国芸術勲章を受章、2002年には、アメリカ芸術文学アカデミーの最高の賞であるゴールド・メダルを授与された。1960年にデビュー作『さようならコロンバス』で、1996年にSabbath’s Theaterで全米図書賞を二度受賞

中野好夫[ナカノヨシオ]
1903‐1985。愛媛県松山市生れ。英文学者・評論家・翻訳家。東大英文科卒

常盤新平[トキワシンペイ]
1931‐2013。岩手県生れ。早稲田大学大学院修了。早川書房勤務を経て作家に。『遠いアメリカ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

97
個人的にアメリカ野球と言うと、連想してしまうのが映画『イングロリアス・バスターズ』の「ユダヤの熊」ドニーによるスーパーボールである。この小説でもアメリカ野球の一軍を通してのアメリカの闇をブラックな笑いで抉り出してくる。スキャンダルだらけなのに一番、大出世したギル・ガメッシュ、全然、名前通りじゃないフェアスミス、搾取され、腕を壊されるメキシコ選手、道化として対等に扱ってもらえない侏儒、赤狩りと暗殺の匂いなどのクレイジーさ。 注釈の豊富さにしても、もしかすると『青白い炎』に匹敵する怪作ではないかと思います。2017/11/04

ちょき

50
村上・柴田だからといって、全ての本が楽園であると思ってはいけない。かなりアメリカ文学に精通してない限り本書は愛せないかもしれない。言葉遊びが過ぎるのだが、翻訳者がそれに輪をかけてぶっとんでいるのでただ記念碑的に村上・柴田が残したかった本ということか。一応それなりにストーリーも用意されているが、これを楽しめるかというと、どちらかというと「辛さ」が先に立ってしまう。作品の存在そのものが風刺なので内容なんて忘れて良いと思う。これから読もかどうか迷ってる読書家さんには『覚悟しなさい!』とだけ言っておく。2016/09/25

Y2K☮

45
著者初読み。攻撃中ベンチで延々寝てる52歳の三塁手や綽名にこだわり過ぎて「ニックネーム」と呼ばれる14歳、フライを追うと必ず塀に当たる左翼手、投げる度に「いてえ!」と叫ぶ関節炎の投手など多彩過ぎる選手が集うホームグラウンド無き架空球団の旅路。町田康を知った時以来のほろ酔い。「アメリカ文学最凶の悪ふざけ」と評されてるが、これを一見スタイリッシュなシリーズにしれっとぶち込む村上&柴田両氏こそ確信犯的な悪ふざけ(笑)ユーモラスな中にも体制への憤りに満ちた猛毒風刺が効いてるからこそ。難解で笑える何でもOKの妙味。2016/06/01

ヘラジカ

40
<はじめに言葉ありき。その言葉は『プレイ!』>フィリップ・ロスの作品を読むのはこれで5冊目だが、堅苦しい作品ばかりだと思っていたロスにこんな小説があるとは正直とても驚いた。ちょっと面白すぎるくらいに面白い。本を読んでいてこんなに笑ったことがあったか分からないくらいだ。とてもとてもあの堅実な傑作『ヒューマン・ステイン』を書いた作家の作品とは思えない。素晴らしいアメリカの野球についての小説でありながら、「偉大なるアメリカ小説」の一冊として文学史に残るのは間違い無いだろう。ブラックユーモア小説の金字塔。最高。2016/05/01

ツバメマン★こち亀読破中

35
まず、こんな異色作を復刊する出版社は凄い。この約600ページはただの悪ふざけか?それとも緻密な計算なのか?…かつて大リーグにはナショナルリーグ、アメリカンリーグとともに“愛国リーグ”が存在した。中でもルパート・マンディーズ球団は異色の球団だった。片足、小人、老人、アル中など様々な選手たちやオーナーが繰り広げる騒動、そして最期にはまさかの展開が!「おいっ!アメリカ人っ!たいがいにせえよ!」と突っ込まずにはいられませんが、何故か読み進めてしまいます。オススメ…はしません!2016/06/24

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