新潮文庫
殺人者たちの午後

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 375p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102200315
  • NDC分類 936
  • Cコード C0198

出版社内容情報

人はなぜ人を殺すのか。殺人を犯した後、人はどう生きるのか……。魂のほの暗い底から聞こえてきた声を沢木耕太郎が訳出。

「あなたはなぜ、人を殺したのですか?」死刑制度のないイギリスで、殺人を犯したのち、仮釈放され社会のなかで罪を償うことになった終身刑受刑者たちに取材した驚異の告白録。息子を殺し、自らの狂気におびえ続ける男。祖父をハサミで刺し殺し、刑務官になることを夢見る青年。人を殺めたのち、奇妙な自由のなかで生き続けることを命じられた10人の魂の独白を、沢木耕太郎が訳出。

内容説明

「あなたはなぜ、人を殺したのですか?」死刑制度のないイギリスで、殺人事件を犯した後、仮釈放され社会のなかで罪を償うことになった終身刑受刑者たちに取材した驚愕の告白録。息子を殺し、自らの狂気におびえ続ける男。祖父をハサミで刺殺し、刑務官になることを夢見る青年。人を殺めたのち、奇妙な自由のうちに生き続けることを命じられた10人の魂の独白。

目次

第1話 過去のない男
第2話 ノー・プロブレム!
第3話 とんでもないことが起きてしまった
第4話 涙なんて流しても
第5話 マラソン・マン
第6話 恋に落ちて
第7話 記憶の闇
第8話 サイコパス
第9話 この胸の深い穴
第10話 神様と一緒に

著者等紹介

パーカー,トニー[パーカー,トニー] [Parker,Tony]
1923‐1996。イギリス・ランカシャー生れ。作家、ジャーナリスト。市井の人々を取材し、優れたモノローグとして発表

沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年東京生れ。作家、翻訳家。『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。『深夜特急』三部作ではJTB紀行文学賞を受賞した。『凍』で講談社ノンフィクション賞を、『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びす男

59
「社会は俺に当然の報いを与えた。でもそれは社会の人が思っているよりずっときついものなんだ」。殺人を犯し終身刑を命じられた10人の告白。卓越したインタビューによって引き出された話からは、殺人や、殺人者たちのさまざまな内面を垣間見ることができる。普遍化できるかどうは問題ではない。一つ一つがそれぞれ、面白くて貴重な証言であると感じた。2016/07/09

SAT(M)

16
日本でこの手の犯罪者ドキュメントをやると、「とんでもないことをしてしまった。遺族に申し訳ない」路線か、その路線に行かなければ、”ヤバい”殺人鬼扱いかの二択になりがちですが、ここに出てくる犯罪者達はどちらでもなく、あたかも他人事のように淡々と自身の殺人や、かつての過ちとは切り離されたかのような平穏な今の生活を語っているケースが多いです。日本だったら「反省が足りない!」と言われそうですが…。単にイギリスとのお国柄の違いなのか、それとも、一旦過ぎ去ってしまうとどんどん遠ざかってしまうのが犯罪のリアルなのか。2018/01/28

Shoko

15
なんとなく題名だけは聞いたことがあって、てっきり小説なのだと思っていた。そうか、英国には死刑制度がないのか。殺人の刑罰は終身刑という英国で殺人を犯して服役中、あるいは仮釈放されて社会の中で生きることとなった10人に取材した衝撃の告白録。幼少期の話や、キレてしまう自分の衝動性を恐れる気持ちなど、さもありなんと思うことも多かった。そして訳者の沢木耕太郎もあとがきで指摘するように、多くの殺人が、綿密に計画された特異な行動によるものなんかではなく、台所のコップを取り落とすようにして行ってしまったものだということ。2024/09/14

さゆき

7
10人の殺人者へのインタビューをアレンジしたノンフィクション短編集。インタビュアーのコメントは淡々と事実を述べるだけにとどめ、受刑者の告白から読者が直接何かを読み取れる形になっている。受刑者の多くが出所後の再出発を法に阻まれたと告白しているのが印象的。保護観察などの法制度は理に適っている一方、受刑者ひとりひとりの状況に合わせて対応することはやはり難しいのか。2017/01/29

vaudou

7
死刑制度の存在しないイギリスで終身刑を宣告された殺人者たち。もう何十年も昔の出来事だったり、喚起を拒絶した記憶がトニー・パーカーとのダイアローグによって引き出される。向き合い方はそれぞれあるが、(一時の過失で済ますもの、残りの人生を贖罪と悔悟に暮らすもの、新たな出会いや宗教に救われる人)回想による語りはすべからく揺曳を伴う。これからも正気で生きていくための、ある種の歪み。2016/05/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10873378
  • ご注意事項

最近チェックした商品