内容説明
穏やかな陽射しが落ちる秋の一日、ボストン午後3時3分。世界は地獄へと姿を変えた。“パルス”。そのとき携帯電話を使用していたすべての人々が、一瞬にして怪物へと変貌したのだ。残虐極まる行為もいとわず、犠牲を求め続ける凶悪な存在に―。目前で突然繰り広げられる惨劇、街中に溢れる恐怖。クレイは茫然としていた。いったい何が?別居中の妻と息子は?巨匠の会心作、開幕。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年メイン州生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、’74年に『キャリー』でデビュー。好評を博し、以後『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリー賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数
白石朗[シライシロウ]
1959年生れ。早稲田大学第一文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白のヒメ
55
脳はほとんどが使用されていないハードディスクだという。テロかは不明だけれど、携帯電話の電波においてある操作がされ、人間の脳から人間らしさの一斉削除が行われた。残虐な本能に侵された携帯汚染人間VS携帯を持たず電波に侵されなかった人々。果たしてその人類の全面戦争の行方は・・・。10年ぶりに再読してみると、若い頃より理解は深まったと思う。ネットだのスマホだのに慣れ親しんで長いからね。しかし、この発想って面白い。それもあり得ないと言い切れないところが恐怖を覚える所以か。さすがSFマニアのキング。下巻へ。2018/01/04
眠る山猫屋
53
映像を観たのだが、気になる点があって再読。なかなか良かったのだが。主人公クレイは適役だったが、原作ではサポートに徹する小男トムが、頼りになる人物に。サミュエルLジャクソンだ。原作の〝携帯狂人〟という表現に違和感。上巻ではリロード中の千人近い携帯狂人を虐殺する寸前まで。ガンスリンガーでの宿敵クリムゾンキングの移し身はまだ登場していない。遠大なサーガの一端なのだろう。興味深い。2017/10/13
カムイ
42
キングのゾンビもの、キングにしては読みやすい、1日して日常から非日常に生き残るには至難のワザになる携帯電話で凶暴化?宇宙からのパルス?謎は下巻で判明するのか?2020/09/20
ぱんぺろ
41
ボク的最近の流行はキング・リバイバル。キャリー、ミザリー等十冊ほど再読し、ローズマダーを初読して本書。キングにまみれてからだ中が匂ってきそう。残酷描写ではなく精神描写に、かるくはき気を催す場面もチラホラ。でも全般においてなかなかたのしめた。開幕の勢いはキングらしからぬ高速感で、うぉぉぉお、っと引きこまれたげど中盤からはすこしダラダラ。でも、おもしろかった。陰惨な世界観に、最近のキングの作風があるのかな、寂寥の感でむかえる結末。幸福をねがわずにはいられないが・・・・、次はいよいよ愛玩動物墓地だな?2018/11/04
あっちゃん
31
突然、携帯を使用していた人々が変貌し襲ってきた!多分、人類の危機だけど(主人公の中年男性目線なので、実際は他の国や地域がどうなってるかはワカランが)描写が細かいので、上巻での活動範囲が狭い(笑)でも、主人公達メンバーが魅力的(普通の人達だけど)なので引き込まれて追われるように下巻へ!2016/05/29