感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
96
下巻。 チャーリーを操るレインバードVSチャーリーをメインにして、異端者としての彼女の孤独が描かれる。 幼い彼女の心の動きが手にとるように理解でき、ずっとハラハラしどうし。『キャリー』との類似点が多い。 意志に関係なく授かる『力』。 ふたりはともに孤独。 怒りが『力』を一気に放出させるシーンも酷似。 彼女の唯一の理解者となる夫妻が、賢明な手段を選択する彼女の背中を押し、希望の光を示唆するラストが素晴らしい。 その爽快感だけで、読んで良かったと報われたような気分。 ★52019/01/30
散文の詞
93
少女と父親が「店」と呼ばれる政府機関に捕まって、「店」のために働かせるようとするあたりはムカつきましたが、それとは別の方法で少女を懐柔しようとするのは、ハラハラします。 父親が絡んできて、良いよクライマックスに向かいますが…。 最後はどうなるのだろと思ってたけど、ここでこの人物が出てくるのも当然という感じで納得です。 そして最後の最後では、クスッとして、ちょっとうるっとします。 エンターテイメントはこうでなくては。 あと、変な日本語のタイトルに訳さなかったのもいい感じです。 2020/03/11
白のヒメ
57
父娘はとうとう政府の追っ手に捕まり監禁される。娘のチャーリーを懐柔しようと、機関の殺し屋が清掃係になって近づくのだが。親子は普通に暮らしたかっただけなのに、どうしてこういう結果になってしまうのか、何度読んでも切ない。主人公の父親の今際の際の言葉に深く共感してしまう。「思う存分、やってしまえ!これらは決して自分達のせいじゃないんだから」・・・キングが同じように8歳の少女に過酷な試練を与えるストーリーでは「トムゴードンに恋した少女」を思い出す。でもとんでもなくえげつないので(汗)、再読の予定は無しだけれど。2015/02/04
タツ フカガワ
48
3万度を越える熱を一瞬で発生させることができる少女チャーリーが、悲しみと怒りの臨界点に達したときのクライマックスが圧巻! 当時カウンターカルチャーのシンボルのようなメディアだった『ローリング・ストーン』誌が出てくるラストも好きなシーンです。とはいえ、ホラーというより最後まで悲しいドラマでした。2020/09/20
nuit@積読消化中
40
30年ぶりぐらいに再読!キング作品の中でも大好きなお話かもしれない。