出版社内容情報
チャーリー・マフィン、引退へ! ロシアでの活躍が原因で隠遁させられた上、敵視するMI6の影が――。孤立無援の男の運命は?
ロシア連邦保安局副長官の亡命計画にMI6も乗り出し、事態は内部抗争の様相を呈しだした。政府や同僚の助けを得られぬばかりか尾行まで張りついたチャーリーは、それでも密かにイギリスを出国、妻と娘を逃すべくモスクワへと向かう。孤立無援の潜伏生活の末に、やっとの思いで接触した妻ナターリヤは、だがこの計画に動揺する。頑ななまでに怯える妻の陰には新たな陰謀が――?
内容説明
ロシア連邦保安局副長官の亡命計画にMI6も乗り出し、事態は内部抗争の様相を呈しだした。政府や同僚の助けを得られぬばかりか尾行まで張りついたチャーリーは、それでも密かにイギリスを出国、妻と娘を逃すべくモスクワへと向かう。孤立無援の潜伏生活の末に、やっとの思いで接触した妻ナターリヤは、だがこの計画に動揺する。頑ななまでに怯える妻の陰には新たな陰謀が―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
43
コレでシリーズ第14作目か。シリーズは全部読みます。読み切ります。と、意気込んでもシリーズ第15作目は未だ翻訳されていない模様。しかもこの『顔をなくした男』は三部作の真ん中で話が完結していないのだ。チャーリーが絶体絶命のピンチ? というところで次作につづくだと~~。許せん!! 早く読ませろ、早く出版せよ新潮社、早く翻訳せよ戸田さん。続けて読んでいても外国人の名前は覚えにくいのだ。登場人物を忘れてしまうじゃないの。おねげえしますだ~~新潮社様、戸田裕之様 m(_ _)m2012/06/08
RIN
20
ぎりぎりに引き絞られて勢いよく放たれる矢のようなストーリー展開がフリーマントルの真骨頂だったなあと思い出す。下巻は先へ先へと気が急いてあっという間に読了。しかしここで終わるなんて殺生な(泣)。三部作仕立てのシリーズ作だというし、本作刊行時点で次作脱稿済みと解説にあるのにまだなんですかね~><それにしても。ロシアvsイギリスって今もこんななんだろうか。イギリスに亡命したロシアのスパイが殺害された(?)って事件が何年か前あったと思い出しつつ、首を長くして次作を待つ。2014/05/02
tom
17
マフィンさん、体を張って、妻と娘をイギリスに脱出させるという結末。通奏低音になるのは、第一巻から続いている、彼の勤務先の上司たちの確執。低レベルの権力争いに振り回されるのも悲しい話だけど、こういう設定じゃないと物語が成立しないから仕方がない。さあ、続くのは、マフィンさんの智謀を尽くした脱出劇か。続巻は、百均で仕入れて、書棚に陳列中。しばらくしたら、読み始める予定。2016/03/05
ぽてちゅう
16
【これは悪い夜の始まりだ】MI5とMI6両部長の権力争いと保身に端を発する冗長な言葉の応酬が始まる。眇め見るか、斜め読むか、飛ばすか、読者に判断が迫られる。【人生は選択の連続である】ロシア保安局No.2ラドツィッチの亡命。妻と息子が同じ選択をするかどうかは、一か八かの賭け。フランス介入という番狂わせにMI6混乱。危機察知能力の高い輩が諜報に選択に蠢く。【行動は雄弁である】脱出計画に動揺する妻ナターリヤに硬・軟二刀流で説得し、命がけで妻と娘英国に脱出させるチャーリー。きみが選んだ世界のどこかで会えることを!2022/08/21
Tetchy
15
前作同様、物語の核心に迫るわけではなく、その周辺の事情や政治的駆引きを重視しており、なかなか進まない。語られるのは亡命を待ちわびるラドツィッチの不満であり、仲間うちから離れ、スタンドプレイに走るチャーリーの姿である。この繰り返しは何とも辛い。諜報活動が慎重に慎重を重ね、あらゆるケーススタディを成した上で行われるのは重々承知しているものの、それと物語とはまた別の話。読者は次から次へめまぐるしく変わる展開を読みたいのだ。従って今回の話は全体としては小粒。色んな謎が解決されぬまま、物語は三部作の最終作へ。2012/04/20