内容説明
第一次世界大戦前夜のロンドン。ホームズの息子セバスチャンは、ロシア情勢を探るようチャーチルから依頼を受ける。新聞記者を装い単身ロシアに潜入したセバスチャンだが、いきなり皇帝の秘密警察に逮捕されてしまう。釈放はされたものの常に尾行が付きまとう。ロマノフ王朝崩壊の噂を探るべく、なんとかスターリンと接触したセバスチャン。そこで彼が耳にした恐るべき情報とは。
著者等紹介
フリーマントル,ブライアン[フリーマントル,ブライアン][Freemantle,Brian]
1936年サウサンプトン生れ。17歳でロンドンの新聞界に入り、国際関係の記事を専門とするジャーナリストとして活躍。「デイリー・メイル」紙の外報部長を務めた後、小説家デビュー。『消されかけた男』をはじめとするシリーズで知られる
日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
1954年生れ。青山学院大学卒。訳書に『シャーロック・ホームズの息子』など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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RIN
11
シャーロックホームズの息子セバスチャンがチャーチルの意向を受けて外国で潜入工作する物語第二弾。今回は革命前夜のロシア。前作も感じたことだが、フリーマントルらしいスパイの行動や発想、思考がとても興味深く、何故、敢えてホームズのパスティーシュにする必要があったのか理解に苦しむ。その読後感は本作でより強い。無謀暴走ギリギリ、若者らしい野心や自己認識の高さと、一見ネガティブなキャラ設定でありながら、大胆で緻密な頭脳を併せ持つセバスチャンはスパイとして魅力的。彼の成長記としてのシリーズ待望。2012/08/17
Tetchy
2
シャーロック・ホームズのパスティーシュ物でありながら、エスピオナージュ作家フリーマントルの特性を生かしたスパイ小説という新たな側面を持ったこのシリーズ。前回はホームズ物という先入観から感じた違和感を拭いきれなかったと述べたが、どうも本作を読むに当たり、違和感の正体はどうもそれだけではないことに気付いた。それは本作で描かれるシャーロック・ホームズ像だ。世界一有名なこの探偵はもはや偶像視されており、正典のイメージが定着しているので、この手法はやはり合わないのではないかと思う。2010/04/04
みや
0
☆☆☆2006/10/18