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新潮文庫
旅の終わりの音楽〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 385p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102155325
  • NDC分類 949.63
  • Cコード C0197

内容説明

タイタニック号は順調に航海を続けたが、4月14日23時40分、北大西洋上で氷山と衝突した。徐々に高まる乗客の不安を鎮めるため、楽士たちは演奏を始めた。それは最後の運命の瞬間まで続けられたという。偶然同じ船に乗り合わせ、運命を共にした楽士たちは、誰を愛し、何を信じ、どう生きたのか―史実と想像力が絶妙に入り混じり、壮大なスケールで読者を圧倒する稀有な作品。

著者等紹介

ハンセン,エリック・フォスネス[ハンセン,エリックフォスネス][Hansen,Erik Fosnes]
1965年ニューヨーク生れ。’85年に中世を舞台にした長編“Falketarnet”でデビュー。シェイブラー賞受賞。夫人とひとり息子とともに、ノルウェイのオスロ在住

村松潔[ムラマツキヨシ]
1946年東京生れ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

10
**ネタバレ・音楽小説・上下巻感想**1912年、豪華客船タイタニック号は英サウサンプトンから出港。この航海の為に、ヨーロッパ7ヶ国から選び抜かれた楽士たちが集められた。運命を共にした彼らは、誰を愛し、何を信じて、その時を迎えたのか?――今回は沈む船の中で最後まで演奏を続けていた楽士達のお話。彼らは人生の成功者ではない。夢破れて深い傷を持つ者であった。だからこそ、その音楽には深みがあり、タイタニックという最後の名舞台を得ることが出来た。本作は悲劇ではない、人生の最後に一花咲かせた男たちの執念の物語である。2012/09/30

ケロリーヌ@ベルばら同盟

9
元日、BSで放送していた、かの映画を家族で夢中になって観てしまった。終盤、反抗期真っ最中の息子がポツリと言った。「結末は分かってる。でも、どうにかならないかと思っちゃうんだ」…そうだね、登場人物の来し方を知るほど、その先を生きてほしいと心から願う。運命の船に集った楽士達は、各々傷心を抱え、口を糊する為、追手から逃れる為、生活の手段として、楽器を演奏する者達だ。英雄的な心根も、名声欲もない彼らが、それでも最後まで踏み止まって奏でた、ヘンデルの「ラルゴ」が、海の底から、天空から、鳴り止まず読者の心に響いている2018/01/21

カニコ

4
それぞれの楽師の物語が積み重ねられていくにつれ、話に引き込まれていった。結末を承知の上で読んでいるから、どのエピソードにもずっと悲しさや切なさが付き纏っていた気がした。2012/04/16

Ryosuke.*

3
”夜に耳を傾けてくれ。”実際にタイタニック号でも、完全に船が沈没する最後まで音楽は奏でられていたのだという。挫折のその先のこの悲劇の船で、最後に彼らは何を思ったのだろう。『本当』と『真実』は違う。本物が神だとするならきっと、真実は悪魔だ。真実が挫折をより大きくし、希望を海の底に沈める。真実によって視野が狭まった彼らは、その悲劇の果てに、本当を願った音楽をきっと奏でたのではないかと思う。今でもきっと聞こえる。真実によって沈められた希望の音楽が。すべてが旅になる人生。泣きながらでも歩く。夜の音に耳をすませて。2014/09/03

ましゅう

2
タイタニック処女航海に乗り合わせた楽士たち。彼等それぞれのタイタニックに乗船するに至るまでの人生の物語が作品の大部分を占めている。実話をもとにしたフィクションではあるが、ひとりひとりの様々な人生の歩みが語られ、彼らがどういった経緯や思いをもってこの船に乗船したのかが明らかになればなるほど、その最期の場面を思い浮かべて切なくなってしまった。2012/10/18

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