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新潮文庫
私たちがやったこと

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  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102149324
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

目をつぶし、耳の中を焼いた。いつも一緒にいるために――。
綻び始める愛を描く、繊細な短編集。
小川洋子さん推薦。

内容説明

互いが不可欠になるために、耳を聞こえなくした“私”と、目を見えなくした“あなた”。その愛の行方を描く表題作。二人きりで過ごすはずの、新婚旅行先のコテージに、夫の知人がどっと押し寄せ、困惑する“私”―「結婚の悦び」。ホームケア・ワーカーの日常を描き、ラムダ文学賞などを受賞、静かな感動を呼んだ『体の贈り物』の著者が鋭く描く、人間関係と愛の不条理さ。幻想的で美しい短編集。

著者等紹介

ブラウン,レベッカ[ブラウン,レベッカ][Brown,Rebecca]
1956年、アメリカ生れ。シアトル在住。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞を受賞

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生れ。東京大学教授。アメリカ文学専攻。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。文芸誌「モンキービジネス」の責任編集を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

42
この方の作品を読む度に心の脆い部分をきゅっと掴まれてしまい、思い切り泣いたような、そしてその姿を見られてばつが悪いような、切ない甘いやり場のない気持ちに包まれます。“失われていくもの”が描かれている為でしょうか。さらに読み進めてみたいと思います。2015/03/11

星落秋風五丈原

40
「自分にないものを求めるのが愛」とは、よく言われるし、実際頷けるところもある。「ああ、そういう考え方もあるんだな。」と相手を受け入れていくことで、豊かな人生を歩むっていい。でも、自分にもともとあるものをわざわざ傷つけて、相手にまるっきり頼るなんて、絶対しない。ところが、この短編集のタイトルである『私たちがやったこと』の「私」と「あなた」は、実行した。「私」は耳を聞こえなくして、「あなた」は目を見えなくする。それが愛だと信じて。さて皆さんは、それが愛だと思いますか?2008/09/22

優希

39
人間関係の愛の不条理さが美しかったです。狂気を孕んだ静かな世界。鋭い棘があるようながら刺さるときは痛くないのです。幻想的な色彩がそうさせているのかもしれません。閉じられた世界に息苦しくなりながらも心地良さを感じるのは何故でしょうか。2025/04/28

kasim

27
時間と空間から逃れたふわっとした感触と、ずしりと重い感情の対比。親密さを極めるために一人は眼を、もう一人は耳をつぶす恋人たち、というシュールな表題作が強烈だが、一番好きなのは「アニー」。カリスマ的で万能の野生児なのに不器用なほど誠実なアニーと、屈託を抱えたその恋人=語り手。実在のアニー・オークリーは20世紀初めに亡くなっているはずだけど、舞台は現代。語り手が愛しているのは大西部そのもの、失われた大地の乾草の匂いで、アニーはそれを体現するからこそ、語り手の愛と嫉妬の対象になるのか。2018/05/09

イノ

18
ゆがんでいるがまっすぐで儚い、恋愛短編集。互いが不可欠になるために、耳を聞こえなくした“私"と、目を見えなくした“あなた"。「私たちがやったこと」がなによりも刺さった。2018/03/20

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