新潮文庫<br> 郵便配達は二度ベルを鳴らす (改版)

新潮文庫
郵便配達は二度ベルを鳴らす (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 204p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102142011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

381
1934年の作品。発表年度にこだわるのは、この小説がカミュの『異邦人』(1942年)を思わせるからだ。物語の主人公でもあり、語り手でもあるニックは、ムルソーほどにニヒルでも諦観的でもないのだが、それでもどこかに通底性を感じるのである。漂泊する男、ニックと定着を企ろうとする女、コーラ。物語の構造はきわめて単純だ。また、その分強固でもある。そして、プロットを引っ張るスピードも力もある。また、カリフォルニアの乾いた風土感もハードボイルドなムードにピッタリだ。そして読後は「あはれ」な感情に支配されることになる。2015/08/10

ケイ

121
家にやって来た男が妻と情事を重ね、邪魔な夫を殺し、破滅していく話…という予想通りの展開。よくある陳腐なストーリーであるはずなのに、若くてキレイで教養のない女の、年上で脂ぎった夫に嫌悪感を抱きながらハイウェイ沿いのガソリンスタンド&ダイナーで暮らしすしかない日常へ、魅力的でちょっと悪い男が飛び込んできた時の様子が、とてもいい。そして、犯罪を犯す者の滑稽さ、猜疑心、後悔などが、意外な形で描かれている。最後の数行の独白は、人気のない暑い砂漠のハイウェイを思い出させる。これはハードボイルドだな。 2015/05/14

えりか

51
男といい仲になったから邪魔な夫を殺す。なんでだろう。お金ほしさでもないし、だったら勝手に二人で黙って出ていきゃいいのに。と疑問。なぜ殺す?愛してる愛してるといいながら、互いに疑いあって監視しあって、そしてまた愛し合ったりと、その心理描写にはちょっとギクリとする。あぁ、そうそう愛ってどうしようもないよなぁと。あと映画のイメージからもっとエロいと思ってたけど、全然エロさなかった…。ラストだけど、偶然の事故じゃないでしょ。と疑わずにいられない。二度鳴らされたベルは、きっと三度目も…。2017/03/11

NAO

48
アメリカの郵便配達は、二度ベルを鳴らすことで、「来客ではなく報を持ってきたのだ」と家の者に知らせるのだそうだ。この作品には郵便配達は登場しないが、この「二度」が、象徴的・暗示的に何度も繰り返される。一度出て行き、また戻ってきたことで計画を成就させたフランク。故意の事故と偶然の事故。その二つの事故現場にいたフランクは二度裁かれ、二度目の裁きが決定的なものとなる。ニックの前に二度現れたフランクは、死神だったのか。では、フランクに対して二度目のベルを鳴らしたのは、誰だったのだろう。2015/11/24

ω

45
ガーディアン必読のリスト見てたら「あ、これ持ってるわ」ということでサクッと読了ω ハードボイルド小説だけど展開がおもろい。「愛は、そのなかに恐怖がはいりこむと愛じゃなくなるんだ。それは憎しみなんだ」など、主人公がイケメンを気どってるけど最後まで全然好きにならんww そして郵便配達は一度も来ません!!笑2021/06/01

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