内容説明
ウォール街の大手法律事務所。30万ドルを超える年収。妻とふたりの息子。ヤッピー弁護士のベンは、それでも満たされぬ思いを抱いていた。そして妻の不貞に気づき、激情に駆られて凶行に及んだあとで、ベンはそれまでの自分をも葬ることを決意した…。エリートから逃亡者へ、ニューイングランドからモンタナへ。数奇な運命と皮肉な結末をスリリングに描き、全米を震撼させた問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
52
外国のミステリは、私には合う・合わないが激しすぎるようだ。基本的に 昔ながら、推理本は好きだが、動きがあるタイプの本は合わない。クライム・ノベルが 好きな人には たまらないとは 思うが。 (1999年このミス海外第8位)2010/05/12
hit4papa
37
写真家を志望しながら親の敷いたレールで弁護士になった主人公。裕福になったものの妻とはしっくりいかず、ついには妻の不倫相手を殺害してしまいます。主人公は、弁護士の知識をフル活用、身分を変えて逃亡し、遠く離れた土地で写真家として再出発します。この人生を再生していく過程が実に面白いのです。ひっそりと生活している主人公は、思わぬ成功と恋人を手に入れますが、知名度が上がるに従いピンチに陥って、と続きます。本作品は、一風変わった自分探しの物語ですね。売れたのも納得。冷え切った夫婦仲の描写が上手すぎます。おお、厭だ。2018/05/12
bapaksejahtera
15
弁護士の家に生まれたが、幼少時からカメラが好きで写真家になる夢を持った主人公は、結局夢破れて大学に戻りすんなり弁護士になる。仕事は遺産管理信託等のつまらぬ仕事だが給料は良い。結婚して郊外に住み子供が生まれるが、文学志望であった妻は否応なく専業主婦となった。夫婦仲は崩れ妻は隣家の男と不倫に。それを知った主人公は酔余の攪乱で男を殺してしまうスタート。妻のサイドから見て不満は分るし簡単に殺人を犯す粗暴な主人公に同情出来ない。だが都合良く進む死体隠匿や人別すり替り、更に思いがけぬ別人格での成功はカタルシスを解く。2023/03/03
りつこ
15
久々にエンタメ読んだなぁ!という感じ。予備知識なしに読んでいたので、最初はイライラし、そのあとそういう展開?!と驚いたのだが、もうこれはなにも考えずに物語に身を委ねればよいのね!と腹をくくったら(?)、一気に楽しくなってきた。あまり細部は気にせずに、おおっ!と読むがよろし。2014/06/09
すぎの
10
読メのフォロワーさんが面白いと言ってたので。ウォール街の弁護士ベンはかつての夢を諦め、味気のない毎日を送っていた。そんなとき妻の不貞が発覚し、激情にかられた彼は相手の男を殺害してしまう。その男の肉体と自分の人生を葬り去ったのち、彼はニューヨークを離れ、写真家ゲイリー・サマーズになりすまして生きてゆく決心をする。過去を清算しモンタナであらたに始める第二の人生。面白くて第二章からは数百頁一気読み。残虐だが主人公にはやや同情もあって、どうか彼が捕まりませんようにとそればかり祈っていた。エンタメものは愉しい。2014/09/07
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