出版社内容情報
ありえない美と恐怖を見た――。ドイルの心に映じた超科学のビジョン。目くるめく怪奇幻想小説の系譜!!
イギリスの片田舎の畑で発見された血の染みたノートブック。そのノートには恐るべき怪物との闘いが記されていた。草創期の飛行士が大空で出会った怪物との死闘を、手記の形で描く『大空の恐怖』。中世の革製の漏斗(じょうご)に記された文字と刻まれた傷跡の意味するものは……。中世の残酷な拷問を扱う『革の漏斗』。ドイルの短編のなかから恐怖をテーマとした傑作6編を収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
59
恐怖編、素晴らしい…ドイルの本領発揮。『大空の恐怖』ー実は空にはジャングルがあるらしいですよ!ラピュタっぽくて良いですなぁ。『サノクス令夫人』ーこれぞドイル。人の憎悪は計り知れない。『青の洞窟の怪』ー地底って大好きです。『ブラジル猫』ーブラジル蝶とペルシャ猫のシャッフル。や、これも好きです。お金が絡むと人は変わる…自分は空と洞窟と地底が好きみたいです。だからストームライダーとかセンターオブジアースが好きなのか(^^)前者はニモになったけど(  ̄▽ ̄)2017/01/22
みくろ
43
ドイルの恐怖編と称する6編の短編集。恐怖といっても怪奇現象といった類のものではなく、SFチックなモンスターものや復讐譚である。そして中でも6編中3編において書かれているのが暗闇の恐怖。ドイル自身暗闇が怖かったのかは知らないが、暗所恐怖症や閉所恐怖症の方は注意されたし。特に「新しい地下墓地」はそうなってしまった理由と結末が怖いです。一般の人でも普通に飛行機に乗る現代において「大空の恐怖」は完全に創作としてしか楽しめないが、逆に「青の洞窟の怪」は地底や深海が怖い私にとっては本当に恐怖であった。洞窟は恐ろしい。2015/08/27
ワッピー
38
【怪獣文藝番外地】参加本ですが、他のイベントにも転用しています。コナン・ドイルの恐怖アンソロジーで、高空に潜むもの「大空の恐怖」、怖ろしき遺物「皮の漏斗」、非情な考古学者「新しい地下墓地」、恐ろしき復讐「サノクス令夫人」、発見された手記「青の洞窟の怪」、恐怖の一夜「ブラジル猫」を収録。「サノクス~」の復讐には震えました。語り口のリズム感も心地よく、ヴィクトリア時代のサスペンスとホラーを愉しみました。ワッピー的には複数イベントに対応できてお得な一冊でした。決して手抜きをもくろんだわけではありませんが・・・。2022/05/02
Ribes triste
22
改めて、あの時代にこんなSF小説を書いていた、コナン・ドイルの創造力に驚く。しかも面白い。特に「大空の恐怖」の異世界観に魅了されました。「ブラジル猫」の息詰まる攻防もいい。2018/11/05
植田 和昭
16
なんといっても傑作なのは、大空の恐怖です。他の作品の追従を許しません。これで、1から3は読んだのですが、シゃーロックシリーズを再読したいと思います。2017/10/22