感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
久々にサガンを読みました。美しくも危険な物語に酔わされます。婚約者のいる女性、無償の愛を注ぐ青年。奇妙な三角関係のようで、一方通行のような恋愛模様が映像のように浮かびあがりました。1人の女性と2人の男性の関係が不透明な空気として感じるのが何故か心地よいのです。殺人まで起きるのに、恋愛小説の1つの形として読めるのはやはりサガンならではでしょうね。2017/05/03
Y2K☮
44
これまでに読んだサガンとは異なる趣き。光の矢で射抜かれる心理描写や三角関係を軸にした情感溢れるストーリーは相変わらずだが、今作はサスペンス色が強い。舞台もパリではなくハリウッド。ルイスのキャラクターは現代では珍しくないが、さほど話題にならなかった点を見ると時代を先取りし過ぎたのかな。若くて美貌な彼に色目を使う女性陣の生々しさ。でもサガンの恋愛対象となる男は成熟した大人に限られる様だ。作中のドロシーみたいに打算無き親切心を持った女性が年下の異性に慕われるのは分かる。物とお金に執着しない著者も同じだったはず。2016/04/19
hiromi go!
17
若かりし頃、「悲しみよこんにちは」を読んで、良く分かりませんでしたが、これは面白かった。作風の違いなのか、こちらの感受性の変化なのか。恐らく後者かと。高岡に向かう電車の中で読み終わりました。2014/05/13
九月猫
13
再読。サガンは中学生の頃にはまっていて、なかでもこの作品が好きだった。ウン十年ぶりに読んでみると、なんともまあ昼ドラチックで何(どこ)に共感して好きだと思ったんだ>中学生の私?と思ったものの作品としてはやはり惹かれるところが多くおもしろかった。すっかり忘れていたので、サガン作品で「舞台がハリウッド」に驚く。見返りを求めず自分の何もかもを捧げて主人公を守り愛する青年、そしてそんな風に愛され、恐れながらも彼を見放せない主人公。中学生の私はどちらに憧れたんだろう。2014/08/05
ロマンチッカーnao
11
一人の40代女性と二人の男性。一人はこれでもかっていうくらいに美しい若者。もう一人はダンディーな同世代の男性。その二人に愛される女性。若者のケガを理由に家に置いて置く女性。性的な関係はなし。これ、少し間違うと官能的すぎてしまうかもしれないけど。なんていうか、そうならずにおしゃれで、けだるくて危険で、性的で、暴力的で、夏の休日、クーラーの効いた部屋で読むのに最適でした。2025/07/07