出版社内容情報
モンゴメリ[モンゴメリ]
著・文・その他
村岡 花子[ムラオカ ハナコ]
翻訳
内容説明
ちょっとした気持の行き違いで長いこと途絶えてしまった人と人との愛情が、またふとしたことから甦る。10年も20年も離れていた婚約者同士が、ついにお互いの存在を再確認する―1908年の刊行以来、アンの物語は広範囲の読者の心を捉えてきたが、この第4巻ではアンから少し離れて、アンの周囲の素朴な人たちが愛ゆえに引き起す、さまざまな事件をいくつか紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
167
今回は赤毛のアンのスピンアウト作品のようでした。アンの近くに住む12の様々な人物の物語で、アンが出るのは最初の物語でかなり策を弄する物語です。このような物語もいいですね。あまりベタベタしたところがないのも好きです。たんたんとその話をしてくれるこの作者は大したものだと思います。2016/11/21
mukimi
114
アンの周囲に暮らす人々の話。アンシリーズの番外編という感じ。若い盛りを過ぎてから愛に目覚める男女たちの微笑ましい物語。38歳で結婚したモンゴメリの幸福も投影されているのかな。100年前の異国でも、今と変わらぬ胸キュンや意地っ張りがあったんだなぁとほっこりする。パーティですれ違うとか、友達の友達とかで、アンがちらっと出てくるので、また早くアンに会いたくなった。2020/10/28
chantal(シャンタール)
91
【第136回海外作品読書会】今風に言うと「赤毛のアンスピンオフ」か。アン本人はほとんど登場しない。アヴォンリーやその周辺に住む人々のお話。それにしても若い頃何かの原因で喧嘩し、お互い謝るキッカケがなく、そのまま何十年も口もきかず、独身で過ごし・・的なお話が、アンのシリーズには沢山出てくる。その仲直りをアンや愉快な仲間たちが画策するわけだが、あの頃はそんな話がきっと好まれたのだろうな、若い女の子たちに。100年くらい前なのに、女の子が好きな話は古今東西を問わず同じなのね😃2019/06/30
chiru
89
アンの周囲にいる人々にスポットをあてたスピンオフ。 わたしが好きな短編は、アンの提案がプロポーズしてくれない恋人の起爆剤になる『ルドヴィック』と『めいめい自分の言葉で』、 感動作『ロイド老淑女』。 15年間口をきかない婚約中のカップルなど、アンのように素直になれない恋愛や、どんでん返し系もあって楽しめる1冊。 落ち込んだり悲しいときページを開くと、思いがけない発見をしたような感覚になって、気持ちが軽くなってしまう短編集。 ★42018/09/30
優希
87
再読です。アンから少し離れて、アンの周囲の人たちに焦点を当てて描かれています。素朴な人たちが織りなす物語は、まさに「愛」あってのものだと思いました。アヴォンリーの小さな奇跡と小さな事件が清々しく感じます。様々な出来事が愛おしくて頬がゆるみ、切なくなり、胸がぎゅっとなりと色々な感情が沸き上がりました。アンが主人公ではないものの、しっかりとアンの世界観に浸ることができました。2018/05/29