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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
461
噂にも聞いていたし覚悟もしてはいたのだが、それ以上の難物。けっして難解というわけではないが、厄介度では『カラマーゾフの兄弟』や『失われた時を求めて』を上回るか。なにしろ主人公のエイハブ船長がやっと登場するのが第28章(全135章)。それまでは物語の語り手イシュメイルとクイークェグとの邂逅や船乗りのリクルート、港町ナンタケットのあり様などが縦横無尽に語られる。しかもエイハブが登場したからといって油断はできない。それからもまだ鯨学の講義が続くのだ。下巻が思いやられるような気もするが、あるいは一気の加速か。2022/06/15
ケイ
127
前置きが壮大で長く、どんな鯨の話を始められるのかと思う。忘れてならないのは、書かれたのは100年以上前で、鯨についての知識の少ないであろう読者に、鯨がいかに巨大で恐ろしいものかをまず示せばならないからだ。物語の途中でも鯨の説明で話が途切れることも多いが、まず鯨というものを知ってから、ここで書かれていることを理解して欲しいという作者の気持ちだろう。私にとっての主人公は語り手ではなく、クィークェグだ。彼の勇猛果敢さ、愛らしさは、読者を惹き付けずにはおかない。2015/12/31
あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
69
表紙が無く、落書きだらけ、字が薄いので新しいのを探したい(¯―¯٥)2019/10/04
アナーキー靴下
66
これはとんでもなく難しい小説だ。聖書、哲学、歴史に地理、多岐にわたる知識が本文と注釈に込められている。それらは知ればいいだけの知識ではなく、たとえ話を楽しむための前提であるから厄介だ。知らない単語が「答え」、注釈は「公式」、本文の文脈が「計算問題」みたいなものだから、とにかく疲れる。全然関係ないが、万城目学氏の「鴨川ホルモー」が古典として数百年後の異国で読まれたとして、2000年代日本において「ちょんまげ」や「ドジャース野茂Tシャツ」が登場するおかしみを理解するのは難しいだろうと感じたことを思い出した。2021/02/08
みくろ
57
【G.15/1000】面白い…!鯨についてかなり興味が湧く。男のロマンであり復讐劇であり捕鯨学であり哲学であり…よくここまで詰め込めたなと思うし、たしかに論文のような文章が多いのは事実だが、それを差し引いても十分に余りある面白さ。捕鯨自体にあまり良い印象は持っていないが、鯨と人間との壮絶な闘いには胸が高鳴る。狂気的な船長に性格の違う3人の航海士、人種も宗教も違う銛打ち達と、登場人物も魅力的です。しかし、訳注で補ってあるとはいえ、宗教的な部分に詳しくないのでそういった箇所は理解が難しい。いざ運命の下巻へ…。2016/02/16
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