新潮文庫
オリバー・ツイスト〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 386p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102030066
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

逮捕されたオリバーを助け出してくれたブラウンローとフェイギン一味との、スリリングな抗争のうちに、その数奇な出生の秘密が解き明かされてゆく―。若きディケンズが、19世紀初頭のロンドン貧民街を舞台に、ストーリー・テリングと社会諷刺の才能を存分に発揮して描きあげた長編。逆境のなかで純真さを失わない「オリバー・ツイスト」の名は、世界の人びとに永遠に記憶された。

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評価
 

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

345
たしかにタイトル通りにオリヴァーの物語ではある。ただし、オリヴァーは、あくまでも物語の核であって、期せずして彼が置かれることになった19世紀前半のロンドンと、そこに生きる人々が描き出されていく。さまざまな意味において、19世紀のイギリス小説の一つの典型を見るようだ。ここに見られるディケンズは、下層階級の悲惨な状況を見つめながらも社会の将来に対しては楽観的だ。オリヴァーの幸福がそれを体現するだろう。本書の謳い文句は「感動巨編」だが、渦の大きさと混沌という意味では首肯できなくもないが、物語の妙味はやや薄いか。2016/06/21

扉のこちら側

105
2016年393冊め。【189-2/G1000】やりきれない上巻のオリバーの不遇が一転、直截的に言ってしまえばご都合主義な程下巻の展開はオリバーにとっての救いが多い。解説にあるように若きディケンズが読者に迎合した結果とも言えるけれど、不幸な子どもの物語は「こうして幸せに暮らしました。」で終わってほしいのでこれでよしとする。下巻はオリバーよりナンシーの方に注目していたので、彼女に関しては残念だ。2016/06/10

nakanaka

88
オリバーが話の中心ではあるのだけれど、周りの人たち皆が主人公であるような不思議な感覚になる構成。フェイギンやサイクスやナンシーなどの存在感のある魅力的なキャラクターが印象的でオリバーが霞んでくる。ストーリーとしては勧善懲悪でありよくある展開のようであるが、二百年近く前の作品であることを考えるとその凄さが分かる。ブラウンロー氏による最後の説明の件は圧巻で、見事なハッピーエンドに繋がっていく。映画も観てみようと思う。個人的にはハマったのでディケンズ作品をこれからも追っていこうと思う。2020/07/23

sin

65
読み比べ;-)ナンシー:母性本能に裏打ちされた少年への誠実さと、寄るべなきその身が選んだ男への愛に引き裂かれる乙女の葛藤が身につまされて哀れを誘う。そして身分や貧富に掌を返す人の不実を糾弾しながら作者は美しい者達のみ幸運に誘って疑うことを知らない。◆英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!http://bookmeter.com/c/3348782016/02/27

びす男

50
オリバーにまとわりつく執念深いまでの悪だくみは、彼の出自と関係があった。スリリングな展開のなかで、彼の秘密は少しずつ暴かれていく。親の犯した罪と、生まれてくる子供は全く関係がないのだという、ヨーロッパらしい精神が前面に出ている作品だったと思う。ただ、オリバーはその善良な性質を母から引継ぎ、悪役もまた、その悪徳を母から引継いだとされているあたり、ちょっと難しい話でもある。物語には「愛すべき悪役」がおらず、さんざんな目に遭わされながら、彼らを許そうとするオリバーの優しさが光るだけだった。あとで書評かきます。2014/11/26

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