出版社内容情報
がけっぷちクリニックを救うたった一つのやり方。家族の思い出のクリニックを守るため開業医となった岩崎慎【いわざきまこと】は、医者としての腕はいいが、経営はダメダメ。医師会の嫌がらせで患者は入らず、借金を抱え倒産寸前。藁【わら】にもすがる思いで医師免許を持つ異色の医療コンサル・高柴一香【たかしばいちか】に助けを求める。「医療は金儲【かねもう】けです」と言い切る彼女に反発を覚えつつも、二人で奮闘し、次第に慎は医師として成長する。現役医師による医療お仕事エンタメ。
内容説明
家族の思い出のクリニックを守るため開業医となった岩崎慎は、医者としての腕はいいが、経営はダメダメ。医師会の嫌がらせで患者は入らず、借金を抱え倒産寸前。藁にもすがる思いで医師免許を持つ異色の医療コンサル・高柴一香に助けを求める。「医療は金儲けです」と言い切る彼女に反発を覚えつつも、二人で奮闘し、次第に慎は医師として成長する。現役医師による医療お仕事エンタメ。
著者等紹介
午鳥志季[ゴドリシキ]
1993(平成5)年、神奈川県生れ。東京大学医学部卒。2019(令和元)年、電撃小説大賞応募作に改稿を加えた『AGI‐アギ‐バーチャル少女は恋したい』でデビュー。都内の急性期病院で診療と研究に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
314
お仕事小説として読むと肩透かしが多い。コンサル部分が最初の訪問診療以外はほぼ端折られ、章が変わって時間が飛んで説明もなくなんか上手くいっている風になっている。しかしコンパクトな中にもツボを抑えたエピソードが詰め込まれており、ライトな読書を楽しむのには良い。半分くらい読んだ段階でラストのオチは予想がつくし、そういうラッキーに頼り切るかたちになってしまうのもどうだろうかと思わないでもないけれど、いい感じに現実逃避できるだけの爽快感がしっかり担保されていて、2時間ドラマの原作などには向いているかもしれない。2025/04/11
よっち
25
家族の思い出のクリニックを守るため開業医となった岩崎慎。腕は良くても経営はダメな開業医が、毒舌医療コンサルと赤字クリニックのV字回復を目指す物語。医師会の嫌がらせで患者は入らず、借金を抱え倒産寸前。藁にもすがる思いで医師免許を持つ異色の医療コンサル高柴一香に助けを求めた岩崎。医療は金儲けと言い切る彼女に反発を覚えながら、譲れない部分のやり方を考えていく姿に心境の変化を感じましたね。思わぬ形で再会した対立する恩師の真意が不器用すぎてあれでしたが、その姿勢に感じて過去を乗り越えた結末はなかなか良かったですね。2025/03/28
onasu
21
祖父の逝去により大学病院を辞めて「いわざき内科クリニック」を継いだ慎は,それなりに改装(機器、内装に千数百万円)もしたが患者はさっぱりで、赤字が積もるばかり。 ダメ元でネットで見つけたコンサルに連絡を取ると、やってきた高柴一香は、一目で現状を言い当て、「開業医に必要な条件は医療を金儲けと割り切れること」と言うが、当然そんなものは呑み込めない。が、背に腹は代えられず再度連絡したところから…。 開業医にも商圏があるとか医療雑学を拾えて、ストーリーの方もさっくり楽しんでこられました。2025/07/22
tetsubun1000mg
21
大学病院を辞めて祖父の後を継いで、開業医になったのだが患者が来なくて倒産寸前。 こんな病院有るのかなと思いながら読んでいたが、コンサルタントの高柴の商圏分析で他の病院と重なっていて採算が取れないという。 町医者の厳しさが分かってくるが、進むにつれて大学病院での挫折と向きあっていく。 筆者が急性期病院勤務という現職医師だけに、症状からの病気の判定や治療などが知らないことだらけだがリアルに感じた。 医療を通じた成長物語という印象だが、文章も読みやすくてキャラクターの設定が面白いので他の作品も読んでみたい。2025/05/16
morinokazedayori
21
★★★エンタメお仕事小説。開業医も大変だなと思ったり、医師も色々なのだなと思ったり。元上司、長谷川の生き様には感銘を受ける。じんとくるようなテーマの時もあるが、会話メインのテンポのよい展開で、ささっと読める。2025/04/12