出版社内容情報
天国屋敷へようこそ――え? 俺イケメンなの? 俺は、間違いなく殺された。なのに、ここはどこだ? 気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、現世で惨殺された6人が、記憶を無くした状態で、この天国屋敷に返り咲いたらしい。俺は誰だ? なぜ、誰に殺された? 俺たちは真相を知りたい――。館(やかた)ものクローズドサークルに新風を吹き込む「全員もう死んでる」ミステリ。
内容説明
俺は、間違いなく殺された。なのに、ここはどこだ?気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、現世で惨殺された6人が、記憶を無くした状態で、この天国屋敷に返り咲いたらしい。俺は誰だ?なぜ、誰に殺された!?俺たちは真相を知りたい―。館ものクローズドサークルに新風を吹き込む「全員もう死んでる」ミステリ。
著者等紹介
五条紀夫[ゴジョウノリオ]
小説家。2022(令和4)年、『クローズドサスペンスヘブン』で新潮ミステリー大賞最終候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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machi☺︎︎゛
98
俺は間違いなく殺された。実際に首に感じる尋常じゃない痛み、鏡越しにナイフを振りかざす犯人。そこまで鮮明に思い出されるのに今、確かに生きてる。気付いたら天国屋敷に同じような状況の死人が6人集まっていた。自分たちは本当に殺されたのか。じゃあ犯人は誰だ。特殊設定ものは想像力が乏しい私にはなかなか理解しにくい。あまり細かい事は考えずに何でもありだと思いながら読むと面白かった。2023/07/09
aquamarine
85
殺害された記憶だけのある俺は、気づけば孤島のビーチに横たわっていた。近くには洋館。そこにいたのは同じように殺されたと思われる記憶のない人々。6人は誰になぜ殺されたのか、自分は誰なのか…。天国での犯人捜しは、定時に届く新聞や物の現れる納戸など実は細やかに設定の組まれた本格ミステリ。初期の頃の西澤さんを彷彿とさせる。すでに死んでいる彼らだから切迫感こそないが、その軽さが逆にいい。楽しく細やかに目を通していたら、途中であることに気づいて思わず声をあげたくなった。ラストシーンまで本当に綺麗なミステリだった。2023/05/11
かぷち
81
目を覚ますとそこは美しい砂浜。おかしい、俺は確かに首を切られて死んだ筈だが…?『私はチクワに殺されます』等、誰にも真似できない突拍子も無いアイディアでミステリ界に新風を巻き起こす鬼才・五条紀夫のデビュー作。所謂バカミスの部類に入るのだが、バカにできない作品。この度再読して改めて魅力に気付いた。本格(と呼んで良いのか?)って色々と決まり事があって堅苦しいんだけど、各種前提を初っ端からぶっ壊してくるので凄く初々しい気持ちで楽しめる。それに最後まで読むと切ないのよ、謎の(笑)感動が押し寄せてくる。これ好き。2025/04/26
★Masako★
71
★★★★ またまた新しい特殊設定ミステリ発見! 首を切られて殺された男女6人が、記憶を失くした状態で辿り着いたのは天国屋敷。最後に現れた"俺”を中心に、殺された真相と自分たちが誰なのかを探ることに。天国内でのルールや設定には、それもあり?都合良すぎる?なんて思うものもあったが、文章や会話が軽妙でコミカルさもあり、楽しく読めた。終盤には切なさも感じ、特にラストシーンが綺麗で印象的。新潮ミステリー大賞最終候補。2024/01/11
Kanonlicht
67
ある富豪の屋敷を模した天国で目覚めた6人の男女。彼らはその屋敷で殺されたらしいということ以外、自分が何者かを含めすべての生前の記憶を失っていた。やがて記憶喪失の死者たちによる犯人探しが始まる。特殊設定ミステリだけど、その「設定」自体が明らかにされていないという点がひねりがきいていて面白い。2作目『イデアの再臨』でも感じたように、著者がノリノリで書いている感じが伝わってきて良い。2024/06/23