出版社内容情報
人が月に住む近未来の日本に、独立を宣言し、鎖国状態の「江戸国」が出現した。上質の阿片が海外に出回り、その産地として日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられた「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守は、阿片を祭祀に使用する異人たちが住む麻衣椰村に目をつけ、辰次郎や松吉に真相の究明を命じるが――。『金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚』改題。
内容説明
人が月に住む近未来の日本に、独立を宣言し、鎖国状態の「江戸国」が出現した。上質の阿片が海外に出回り、その産地として日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられた「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守は、阿片を祭祀に使用する異人たちが住む麻衣椰村に目をつけ、辰次郎や松吉に真相の究明を命じるが―。
著者等紹介
西條奈加[サイジョウナカ]
1964(昭和39)年、北海道生れ。都内英語専門学校卒業。2005(平成17)年、『金春屋ゴメス』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。’12年『涅槃の雪』で中山義秀文学賞、’15年『まるまるの毬』で吉川英治文学新人賞、’21(令和3)年『心淋し川』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
101
金春屋ゴメスシリーズ第2弾。前作が面白かったので早速続編も読んでみたがやはり面白い。長崎奉行・ゴメスの元に新入りがやってきた。見目麗しい女剣士・朱緒にゴメスの子分たちは皆浮足立っている。今回は阿片を巡るひと騒動の巻。阿片が海外へ流出、その出所が江戸ではないかとの疑いが日本、諸外国から出始める。誰がどこで作っているのか探るため、辰二郎たちは敢えて流人島に潜入。月に人が住めるようになった近未来の話だけど、薬物はどんな時代になろうとも裏社会の利益のためには無くならないんだろうな。勧善懲悪ものでスッキリ!2022/08/15
ふう
71
ゴメスシリーズ第二弾。タイトルにあるように、今回は芥子、阿片の抜荷を中心に話が進みす。日本と江戸の関係についての説明が多かった前作より展開が早く、すっきりしていておもしろいと思いました。異常に怖いゴメス親分のおかげ?で、子分たちの団結とお互いを思いやる気持ちは強く、信頼こそが力といった感じで事件が解決へと向かいます。辰次郎とクサの友情、朱緒への淡い恋心。そして、終わってみれば、非情に見えるゴメスの采配にも深い思慮が隠されていて、心地よい作品でした。2024/01/10
Nyah
55
3巻のための再読/ 上質の阿片が海外に出回り、その産地として名指しされた江戸国。阿片は江戸国のどこで産生され、どういうルートで持ち出されたのか。鎖国をしている江戸と繋がりのある人物は誰か。長崎奉行所と北町の筧因幡守は因縁ありながら、南町の真鍋筑前守と阿片事件を追う。辰次郎や松吉が潜入先からの救助方法がカッコいい。ハリボテがばっかり割れて出てきたものって。ゴメスは相変わらず怪物じみてるし、辰次郎は打たれ強くなり、新しい人物サク、朱緒が良い感じです。今回も再読なのにたのしく読了。私の記憶力のなさって😅。 2022/12/17
ポチ
49
続けて第二巻。あれやこれやと中身が詰まってるなぁ。もっとスッキリした内容でも良かったかなぁと思いましたが、これはこれで楽しく読みました。辰次郎達も裏金春に馴染んでこれからが楽しみですね。2023/09/20
papako
36
いやー、まったく記憶なし!朱緒さまは覚えていたし、サクも覚えてはいたけど、ストーリーに関してはまったく覚えていなかった!なので、楽しめました。再読してよかった。悪人の島流し、山の中とは考えたけど、顔役が悪いことするのは既定路線だよなぁ。今回は北町奉行の筧が大活躍!いい味だしてました。辰次郎は着実に成長していて恋の予感も。そして江戸国に危機がせまる。では、次は新作!2024/12/05