出版社内容情報
そして人生はつづく。線路のようにどこまでも。列車はいつも、僕らの日々を運んでく。出会いも別れも、伝えたかった言葉も――。祖母と豊橋を訪れた美羽。「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思いとは(「二十歳のおばあちゃん」)。故郷への新幹線で想起する父の記憶(「やまびこ」)、貨物列車をめぐる六年生の小さな冒険(「名島橋貨物列車クラブ」)など、心のつながりを描く人生のスケッチ、全5話。『四角い光の連なりが』改題。
内容説明
列車はいつも、僕らの日々を運んでく。出会いも別れも、伝えたかった言葉も―。祖母と豊橋を訪れた美羽。「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思いとは(「二十歳のおばあちゃん」)。故郷への新幹線で想起する父の記憶(「やまびこ」)、貨物列車をめぐる六年生の小さな冒険(「名島橋貨物列車クラブ」)など、心のつながりを描く人生のスケッチ、全5話。
著者等紹介
越谷オサム[コシガヤオサム]
1971(昭和46)年、東京生れ。2004(平成16)年、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作『ボーナス・トラック』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
90
鉄道に纏わる短編集、どれもほっこりして良かった。やまびこに乗り父の葬儀のため実家へ帰るサラリーマンは想い出に浸りながらも列車にはいろいろな人が様々な目的で乗っていると言う当たり前に気づく、阪神ファンの青年は勝つために様々なルーティンを自分に課している、それなのにポーランド語が分かる為に旅行者夫妻に葛藤しながらも手を貸してしまいルーティンを崩し一緒に行く彼女を待たせてしまうお人良しの青年がなんとも素敵です、路面電車に乗るため祖母と豊橋に向かう女子高生、豊橋には行った事があるが路面電車には乗って事なかった。2023/09/12
dr2006
47
思いを乗せてやって来る「次の電車」が舞台の短編集。人生の岐路にそっと寄り添う展開は人情の機微に触れられた様な気がしてココロがぽかぽかした。作品は①葬儀の為東北へ向かう新幹線車内、聴こえる会話に自分の人生を重ね合わせる中年男性、②プロ野球観戦に向かう途中外国人ツアー客に世話を焼く男性、③祖母とレトロな路面電車を探す旅に出た女子高校生、④鉄橋を走る貨物列車を眺めるだけの私的クラブで生まれた小学生たちの友情、⑤噺家を目指し四国から上京した青年が厳しい修行の中、豪華列車で故郷へ凱旋する妄想の5編、どれも良かった。2025/01/09
よっち
39
列車はいつも僕らの日々を運んでく。出会いも別れも伝えたかった言葉も…鉄道を背景にした心のつながりを描く5つの人生スケッチ。故郷に向かうやまびこ内で父との葛藤を思い起こす会社員の様々な思い、一緒に豊橋を訪れた美羽が知る「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思い、験担ぎに縛られるタイガースファン、貨物列車クラブと小学校の卒業文集、追い詰められた落語家と夜行列車を巡るエピソードとその後など、ひとつひとつ丁寧な描写で綴られてゆく、穏やかなエピソードはとても優しくて、それぞれが印象的な物語になっていました。 2022/08/04
anne@灯れ松明の火
26
お友だちの本。久しぶりの越谷さん♪ 旅のお供に、文庫本は欠かせない。鉄道を舞台にした短編集なので、電車の中で読むには最適だった。線路のつながりが、人の心もつないでいく……。5つの話どれもが、温かく、ハートフルで、「やっぱり越谷さん、好きだなあ」と思わせてくれた。どれも良かったけれど、「タイガースはとっても強いんだ」が一番おもしろかった。一泊したのがちょうど尼崎。モーニングを食べに行った商店街に「阪神必勝祈願」の看板(笑) 豊橋に路面電車があるのは知らなかった。乗ってみたいな。旅っていいな、読書っていいな♪2024/05/16
coco夏ko10角
24
人生の電車がある場面、5つの作品収録の短編集。困ってるポーランド人夫婦と仲良くなる『タイガースはとっても強いんだ』と祖母と豊橋に旅行することになった女子高生『二十歳のおばあちゃん』が面白かった。単行本タイトル『四角い光の連なりが』より文庫タイトルの方が分かりやすいししっくりくる。2023/08/23
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