感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつや
3
下巻には「放浪」「断橋」「憑き物」を収録。主人公義雄が起業で単身樺太へ向かい、まんまと失敗して北海道に落ち延びる所から始まる。上巻感想で書いたようにとことん下衆なこの男は小心な内弁慶でもあるため、外ではいまいちおとなしい。そのために上巻に比べて失速した印象がある。ありていに言えばつまらない。義雄には徹底的に嫌な奴としてボカンと華々しく散ってもらいたいのに、そこそこ嫌な奴がじんわり不幸になられても、しんみりしてしまうだけじゃないか。この時代の北海道風俗が多少興味深くはあったが、期待しているのはそれじゃない。2018/10/17
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