感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつや
5
福沢門下の父を持つ著者が膨大な書簡から百通を選び、そこに解題をつけたもの。己の思想に反することは相手の地位がどんなに高かろうときっぱりはねつける誇り高い福沢があれば、その一方で我が子にはめっぽう甘い家族思いの福沢がある。さらには経営者として資金調達に奔走したり、友とたわいもない話題を交わしたりと、この歴史の偉人のいろんな表情がうかがえる。特にいいなと思ったのは謝罪の手紙で、福沢諭吉は謝り方も徹底している。散々威張り散らした目下の相手に対しても、自分の非がわかると一転「平身低頭恐入り候」とくる。偉いもんだ。2019/04/21