内容説明
明治26年3月、熱狂する群衆が見守るなか、五隻の手漕ぎボートが隅田川を後にした。目的地は「鳥もかよわぬ」北千島の占守島。一行を率いるのは、予備役海軍大尉郡司成忠。何が彼を開拓の夢に駆りたてたのか?文豪・幸田露伴の実兄でもある郡司大尉の生いたちから、希望に燃える海軍兵学寮時代、国辱的な大津事件の衝撃を経て、富国のため殖民の必要を痛感するまでを描く。
明治26年3月、熱狂する群衆が見守るなか、五隻の手漕ぎボートが隅田川を後にした。目的地は「鳥もかよわぬ」北千島の占守島。一行を率いるのは、予備役海軍大尉郡司成忠。何が彼を開拓の夢に駆りたてたのか?文豪・幸田露伴の実兄でもある郡司大尉の生いたちから、希望に燃える海軍兵学寮時代、国辱的な大津事件の衝撃を経て、富国のため殖民の必要を痛感するまでを描く。