内容説明
嘘つき社員に傲慢部長、モーレツ執行役員にゴマスリ常務―不祥事の元凶がオフィスにはあふれている！サラリーマンが守るべき掟を「モーゼの十戒」に擬えて、コミカルにシニカルに描く。秘かに転職を目論む銀行員の心の内は…「二神に仕えるなかれ」、セクハラ対策を担当していながら、生保の中堅幹部はなぜセクハラに陥ったのか…「汝、姦淫するなかれ」など、傑作十篇収録。
著者等紹介
江上剛［エガミゴウ］
１９５４（昭和２９）年、兵庫県生れ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、第一勧業銀行（現みずほ銀行）に入行。梅田、芝の支店を経て、本部の企画、人事部門に勤務。’９７（平成９）年の第一勧銀総会屋事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力した。２００２年に、築地支店長を務める傍ら『非情銀行』を発表して作家デビュー。’０３年３月、第２作『起死回生』の刊行と同時に、みずほ銀行を退行して、以後、執筆に専念している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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納間田 圭
126
会社で100点満点の人物が…社会では失格なんて確かにある。またその逆も然り。ヘッドハンティングの蜜の味は人事部の罠。業績アップ投資信託獲得ゲームの王様と奴隷。口をパクパク酸素不足の金魚のよう新頭取。解雇通告と離婚通告。長年マル暴に脅えるホテル支配人と意見具申する一社員。部下殺しと上司殺しは…紙一重。セクハラ逆利用で玉の輿。部下を騙して使い倒すのも…上司の仕事。会社というのは…裏切り者の巣窟。作者は声を大にして言う「お客さまのために､家族のために、自分のために働け…決して会社のために働くな」2021/08/31
Tsuyoshi
73
主に銀行を舞台にしたサラリーマン短編10編。それぞれの話のタイトルはモーゼの十戒に倣った往々しいものだが、中身はサラリーマンのあるあるや失敗話がメインであって、どの話も気楽に読めた。特にコンプライアンス推進の副部長が社内の色恋で窮地に落ちていく話が面白かった。2018/03/29
mr.lupin
60
10篇からなる短編集。予想していたより面白かった。会社勤めのサラリーマン、まぁ有りそうで無さそうな話だけど、いや～もしかしたら有るのかな？ 『二神に仕えるなかれ』お気に入りです。☆☆☆★★2016/05/08
ニカ
35
もっと身近にいる様なダメ社員ばかりかと思ったら、そこそこヤバい社員ばかりでした笑 2019/04/28
おさむ
34
汝、貪るなかれ。二神に仕えるなかれ。‥‥。モーゼの十戒を題材に銀行にまつわる出来事をシニカルに描いた短編集。一風変わった趣向で楽しめました。あとがきで書いている江上氏自らの銀行マンとしての戒めが一番リアルで面白かったなあ。2018/06/09
