内容説明
お江戸長崎屋の離れでは、若だんな一太郎が昼ごはん。寝込んでばかりのぼっちゃんが、えっ、今日はお代わり食べるって?すべてが絶好調の長崎屋に来たのは福の神か、それとも…(「茶巾たまご」)、世の中には取り返せないものがある(「ねこのばば」)、コワモテ佐助の真実の心(「産土」)ほか全五篇。若だんなと妖怪たちの不思議な人情推理帖。シリーズ第三弾。
著者等紹介
畠中恵[ハタケナカメグミ]
1959(昭和34)年、高知県生れ、名古屋育ち。名古屋造形芸術短期大学卒。漫画家アシスタント、書店員を経て漫画家デビュー。その後、都筑道夫の小説講座に通って作家を目指し、『しゃばけ』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
214
佐助の過去が明かされる「産土」が印象深かった。前作では仁吉の過去が、今回は佐助の過去がとシリーズものの、ふくらみを増すエピソードが楽しくも、今回は少し怖かった。「たまやたまや」も一太郎の幼馴染の春ちゃんが嫁入りするエピソードで面白かったですね。ゆっくり慌てず、シリーズを読み進めていきます。2015/04/10
小梅
186
切ないお話しが多かったです。産土…佐助きキュン。 花かんざし…お雛ちゃんの素顔はきっと美しいんだと思う。2014/02/19
takaC
156
犬神昔話は楽しかった。まんまと騙されたから?2008/06/16
のっち♬
125
短編5篇。前回に比べてサスペンス要素を追求した作風。『茶巾たまご』の犯人の罪悪感の無さは掘り下げが不十分な為に厚み不足。松之助の女関係は残酷な定めなのか。『花かんざし』は複数の不合理を狂気へ収斂させる安直さの点で、あくまで純粋理物の観点からシリーズの可能性を意欲的に開拓した白眉『ねこのばば』に劣る。優しい叙述トリック込みの『産土』で明かされる佐助が一太郎に仕える理由は仁吉とは別の切実さだが、話術的に仁吉の方が好み。『たまやたまや』は今後のアクティブな広がりを予感させる。後半に行くほど面白くてビターな余韻。2023/07/08
ゴンゾウ@新潮部
124
強面の佐吉(犬神)の過去が垣間見れる「産土」が秀逸です。ふたりの兄貴の若だんな一太郎への思いの深さが伝わってくる第三弾でした。2015/12/11




