内容説明
食や旅を楽しみ、常に気遣いを忘れなかった人生の達人、池波正太郎。師に学んだ、男が守るべき心得とは。うまい鮨屋の判定法。蕎麦屋で酒を飲む際のマナー。人を訪ねるときには手みやげを。旅も仕事も、万事早め早めに準備せよ。書物は最良の師。「死」を常に意識して生きる―。大作家直々の教えを受けた著者が伝える、男を極めるための全五章。
目次
第1章 男を鍛える「食の流儀」(蕎麦屋酒;ウイスキー ほか)
第2章 男を究める「粋の構造」(落書き箋;ポチ袋 ほか)
第3章 男を揚げる「家族の掟」(父親の特権;女房教育 ほか)
第4章 男を深める「旅の心得」(旅の効用;らくがきちょう ほか)
第5章 男を糺す「真の生き方」(学会のススメ;無心の時間 ほか)
著者等紹介
佐藤隆介[サトウリュウスケ]
1936(昭和11)年、東京生れ。雑文製造処「鉢山亭」主人。広告代理店のコピーライターを経て、池波正太郎の書生をつとめた。現在は、酒・食・器の「食卓に関わるもの」のみにテーマを絞り文筆活動を営む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おくりゆう
17
池波氏の著書かと早とちりで手にとりましたが、正直、どれだけ繋がりがあろうと他の人が書く誰かの本、というのはあまり好みではありません。しかし、著者の言葉や考えがメインでそれはそれで良かったと思いますし、生前の池波氏の姿や言葉が伺えるという意味では貴重で、粋だな、と思うところはあります。2017/08/09
5 よういち
15
池波正太郎を師とする著者の目の当たりにした師の生き方。酒を愛し、食を愛し、旅を愛し、人を愛した生き方は、昭和の香りがプンプンするが、これが共感を呼ぶ。人間は生まれた時から、死に向かって毎日を送る。人間は死ぬという動かしがしたい事実を日ごろから頭の片隅においておくかどうかで生き方が変わるという。「明日死ぬかもしれないと思うと人間は血がたぎってくる。」池波作品はまだ読んだことがないが、これを機会に一度は読んでおこうと思った。2016/04/24
ichiro-k
6
自分にとっての尊敬すべき「師」を持つことのが大切であることがよくわかった本。印象に残った一文は「死ぬために生きている」というシンプルなものであった。2010/10/06
まにー
4
小説家としての池波正太郎だけでなく、日々その行動を間近で見てきた著者ならではの池波正太郎観には面白さを感じました。そして意外な一面も知った作品です。2012/11/20
Simon
3
時代は移り変われど、食の美を知ることは変わらずに大人の嗜みとして楽しそう。 蕎麦屋で酒を飲み、寿司屋を吟味できる人間を目標にしたい2024/08/12