新潮文庫
月夜にひろった氷

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  • サイズ 文庫判/ページ数 156p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101434254
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0193

内容説明

ポケットの中で、星が騒ぐのでどうしてもそれが騒ぐのでこの恋はあきらめようと思った―小さなイラストの向こうに広がる、はるかな空。ぽろりと落ちた言葉が心の底まで転がっていく…かつて私がそこにいたような、そんな気がする、ものがたり世界。ゆらゆらと漂いながらも、不思議な力に充たされていく。銀色夏生、幻の初期詩集。書下ろしエッセイ「人生の山」収録。

目次

ポケットの中で星が揺れたので
海はちゃんと姿をみせない
憂いに満ちた満天の野原
リムジンに僕を乗っけてよ
菜の花ばたけですれちがう
こおろぎの散歩道
砂漠の子ども
透き通った幸運
夜のテラス
水色のかきね〔ほか〕

著者等紹介

銀色夏生[ギンイロナツオ]
1985(昭和60)年、はじめての詩画集『黄昏国』(河出書房新社)を刊行。詩集、エッセイなど、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

101
水面に浮かんだ月は、確かに「そこ」にあるんだけど、やっぱり「どこ」にもなくて、手に触れることはできずただ心に刻むしかない。久しぶりに読んだ銀色夏生さんの詩は、軽やかでひんやりとしていて氷みたいにすっと溶けて、気持ちが少しだけ静かになる。心の余白に書かれた、判読がちょっと難しいメモランダムのようです。エッセイ『人生の山』は、幸せそうな一篇の詩だと思いました。2015/09/22

青蓮

78
神威さんのお勧めで読みました。どの詩も柔らかい雰囲気がありながら透明な夜空に散りばめた、冷たい星粒のように感じました。作品の中に流れる切なさや悲しみが結晶となって冷たい氷になったようなイメージ。けれどそれはすっと心の中に溶けて染み込んでくる。胸の中に優しく広がる溶け崩れた結晶は涙となって抱えた切なさ、悲しみが流れ出ていく。そんなふうに感じたのはここに書かれた言葉に共鳴し、心が癒されたからだと思います。巻末のエッセイもとても心に響きました。 2019/02/26

masa@レビューお休み中

42
夜空を見上げながら、君のことを考える。夜は気もそぞろになる。どんなに大切なことも、どんなに好きという気持ちも同じように思い続けることができない。ふとした瞬間に心が乱れる。魔が差したかのように不安が一面に広がる。一度、その深みにはまってしまうと、深い深い闇夜に覆われてしまい希望の明かりすら見失ってしまう。どんなに淋しくても、空にぽっかりと月があれば気持ちが和らぐ。ほんのりとした柔らかさがひとつの救い。その救いが、じんわりと広がっていくんだ。2012/10/13

ann

30
たった1行で核心を突くのです。今回は泣かないと決めて読みました。泣きませんでした。2015/11/12

nekoぽん

16
インフルエンザで本は読めなかったけど熱が少しでも下がってくると詩はすっと入ってくるからいいですね。タイトルがいいなと思った。『あこがれ』という詩が良かった。2018/01/11

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