内容説明
小学4年生になっても、ぬいぐるみの「くますけ」と片時も離れられない成美は、交通事故で突然両親を亡くして、ママの親友の裕子さんに引き取られた。裕子さんはとても優しい人だけれど、成美には誰にも言えない秘密があるから、くますけ以外は信じることができない…。正常と異常、現実と非現実の境界にある閉ざされた少女の心の内面をモダン・ホラーの手法で描く異色の長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
28
ぬいぐるみバトルにならない事を祈る。2018/09/16
あつひめ
28
ぬいぐるみに「お主も悪よのぉ~」と言いたくなるラスト。ぬいぐるみと会話する少女…どこか変だろうか?今のように携帯でいつでもだれとでも繋がれる時代ではそんな女の子は変なのだろうか?一人っ子だった私には主人公成美の気持ちがよくわかる。何かにすがって安心したい心の拠り所がくますけだったのだと思う。人はいつまでも同じ場所で立ち止まっていることはできない。時が流れる時に少しずつ成長していく。くますけとの会話は、自分の心との会話。自分の中ではどうすることがベストかわかってる。自分でもそっと手を放せる日を待っている。2011/10/13
レア
25
私も子どものときに犬のぬいぐるみ「ドン」が大切な存在だったなあ。なんて懐かしい気持ちで読んでたせいか、「くますけ」も「なんなん」も怖くなかった。成美は裕子さんに引き取られて良かった。現実と妄想の線引きが曖昧で独特な世界観に引き込まれイッキ読み。2025/05/24
tomi
22
(H5年刊・初版) ぬいぐるみの「くますけ」を片時も手離せない少女・成美の物語。両親から愛されずに育ち、何事も大人の顔色を伺い自分を責める、内向的な少女の心理がとても切ない。ホラーだが成美が裕子の懸命な愛に心を開いてゆく姿は感動的です。さほど怖さは感じないで読んだが、くますけの成美のためなら両親も呪い殺すという愛の深さはやはり怖いか。2013/04/23
桐ヶ谷忍
17
両親が不仲かつ、不仲の原因を一人娘成美のせいにしていた彼らは死亡した。10歳にもなってぬいぐるみのくますけを一時も離さず問題児扱いされていた彼女は、母の親友だった裕子に引き取られるが。両親の死はくますけの呪いだったのか、例えそんなくますけでも成美には唯一無二の存在。だから聞けない、くますけは邪悪なのかと。両親が不仲な家庭で育った読者の一定数はとても響く物がある物語。大人が読んでもいいけど、出来れば中学生前後の子の救いになるのではないかと思えた。2016/10/29