新潮文庫
志に死す―人情時代小説傑作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 215p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101397351
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

最愛の妻を自死に追い込んだ理由を探る軽輩・友助の闘いを描く「木綿触れ」。家族に売られ島送りにされた渡世人・忠七が切なる願いを叶えるべく帰郷する「生国は地獄にござんす」。盗賊団頭首・角右衛門が活躍し、鬼平シリーズの先駆をなした「看板」。彼らが命を懸けてでも守りたかったもの、成し遂げたかったことは何だったのか。“男の死”をテーマに編まれた飲泣呑声の時代小説アンソロジー。

著者等紹介

縄田一男[ナワタカズオ]
1958(昭和33)年、東京生れ。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。歴史・時代小説を中心に文芸評論を執筆。’91(平成3)年に『時代小説の読みどころ』で中村星湖文学賞、’95年に『捕物帳の系譜』で大衆文学研究賞を受賞。著書のほか、編者を務めたアンソロジーも多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

80
評論家 縄田氏が選んだ時代小説集。しかも巨匠の作品ばかり。惹かれない訳がない、という作品ばかり。どれも印象的な短編ばかりだが、藤沢周平・笹沢左保・山本周五郎各氏の作品が好みかな。特に笹沢左保氏の木枯し紋次郎は実は初めて読了。特に印象的であった。ここに収められた作家達の作品はいつか読んでみたいと長年思っている方々。木枯し紋次郎の世界からそろそろ少しずつ読み始めようかどうするか、という気持ちにもさせられたのである。2021/06/08

マツユキ

20
藤沢周平『木綿触れ』、笹沢佐保『生国は地獄でござんす』、菊池寛『敵討順逆かまわず』、山本周五郎『城中の霜』、池波正太郎『看板』。この作家たちを一度に読めるのは贅沢だし、有名登場人物にも興奮しました。タイトル通りの結末を迎えますが、一人一人、生き方を選んだのだ、と心に響きました。そして、その人の生き方を見てくれる人が側にいる事に感謝しました。それにしても、境遇もそれぞれで、『生国は地獄でござんす』と『敵討順逆かまわず』の差が凄まじかった…。ミステリとも読める『城中の霜』、考えさせられる『看板』が好きです。2025/04/19

ドナルド@灯れ松明の火

16
武士や男たちの命を懸けた生き様を描くアンソロジー。このジャンルは数多く書かれているので編者も少しは楽というか逆に迷ったのではないか。池波正太郎の「看板」は他でも読んでいてこれで3回目かな。何度読んでも女乞食の描写に涙が出そうでジーンとする。 お薦め2020/09/20

あまみ

15
時代小説5編の短編。著者5人とも日本文壇の歴史に名を遺す作家たち。笹沢左保の作品は木枯し紋次郎の一話。任侠物なので本のタイトル「志に死す」にそぐわないのでは?と思って読んでいたが、最後の最後でそれに行きついた。菊池寛の作品は、けじめをつけた潔い武士に感心するよりむしろ愚かだと思った。同じけじめをつける物語である藤沢周平の作品は納得、一番面白かった。山本周五郎の作品は「どのようにしたのか?」疑問を持ちながら読むも最後に「何故」とともに解り、小さな感動。▽武士は理不尽なことでも下手に喧嘩が出来ないのですね。 2022/02/06

Kira

12
図書館本。時代小説五篇をおさめたアンソロジー。初読みの笹沢佐保氏の「生国は地獄にござんす」は、木枯らし紋次郎ものだった。この一作を見るかぎり、紋次郎の物語というのは映像に向いているものだと感じた。紋次郎が口にくわえた楊枝からしてトレードマークみたいで、名乗りをあげなくてもわかる。あの楊枝は武器になるんだ ろうか。シリーズを読んでみてもいいかなと思い始めた。 2021/07/10

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