新潮文庫
大本襲撃―出口すみとその時代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 465p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101390062
  • NDC分類 178.9
  • Cコード C0136

内容説明

「大本を地上から抹殺する」。昭和十年、特高は宗教団体・大本の教祖、出口王仁三郎とその妻で二代教主すみを不敬罪、治安維持法違反で逮捕。信者らを大量に検挙し、苛烈な拷問を加えた(第二次大本事件)。なぜ彼らは国家に狙われ、弾圧されなければならなかったのか。教団を支えたすみと王仁三郎夫婦の人物に迫りながら、知られざる昭和史の闇を抉り出す異色のノンフィクション。

著者等紹介

早瀬圭一[ハヤセケイイチ]
1961(昭和36)年、毎日新聞社入社。名古屋を振り出しに、東京社会部などの後、編集局編集委員。龍谷大、東洋英和女学院大教授などを経て、現在、北陸学院大学副学長。また、毎日新聞社客員編集委員も務める。’82年『長い命のために』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

11
時の国家は、大本になぜそれほど怯えたのだろう。出口すみ。愛嬌のあるどこにでもいるおばさん。たまたま教主の娘であったため二代目となる。その旦那、王仁三郎。茫洋としたおじさん。その教団に権力は牙をむく。不敬罪、治安維持法違反で二人をはじめ信者を逮捕。当時大本は「皇道大本」と名乗っていたという。国家に近寄り過ぎたがための弾圧か。それとも新興勢力に対する見せしめにされたか。更に、京都という地が気になる。仏教界の不安を掻き立てたのが原因ではないかと、うがった見立てをしてしまう。2018/11/26

sashi_mono

5
戦前に大本教の弾圧事件があったと知ってはいたが、その実態は詳らかには知らなかった。本書でまず驚いたのは、出口すみの刑務所でのふるまいである。官憲に弾圧されてもなお度量の大きさと大らかな性格で囚人や看守たちを惹き付けてやまない、彼女の魅力に圧倒された。なにせ敵方の刑事局長まで「あの人は大物だ」と周囲に漏らしたという。ほんまものの宗教家だと思った!2018/01/14

hayatama

3
著者の早瀬圭一ってすっげぇ昔(あたしが小学生の頃)毎日新聞で、女子刑務所のルポやってなかったっけ?(古い話なので、記憶違いご容赦)。で、確かに大本というと出口なお、出口王仁三郎ばかりが取り上げられるんだけど、この出口すみというヒトは非常に魅力的なヒトだったようですなぁ。優れた伝記であり、歴史書であるんだけれど、もう少し、すみの魅力に魅惑されない書き方だと、さらに引きこまれたかなぁ。でも非常に面白い1冊でございました。2011/04/18

JA1YRS

2
学生時代に安丸良夫先生の講義を受講し、ゼミのテキストとして『日本の近代化と民衆思想』と『出口なお』を講読したことを懐かしく思い出しました。2011/05/08

OjohmbonX

1
日本の現代史で最大の宗教弾圧、大本事件のノンフィクション。大本の教祖 出口なお・王仁三郎に比べて知名度の低い、2代教主・出口すみにスポットライトを当てた点に特色がある。6年以上に渡って収監されても、警察署長や看守を「うちの人」と思い、同房者には慕われ食事を分け与える、裁判長には答弁を感心され、刑事局長に「あれは傑物」と言わせたという。魯山人がすみの書を「天衣無縫」「ああいう天才は現代には一人もない」と語り、人柄を「実にいいおばさん」と評している。開祖に近い宗教家はやっぱりすごい、という気持ちになってくる。2021/01/02

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