内容説明
人の苦痛が一ト時の慰めを求めて手を伸ばすもの、それが文学。毒蛇になって人に咬みつくもの、それが作家。「文学の魔」に憑かれた著者が自らの読書遍歴を披瀝、作品百篇を取り上げその魅力を縦横無尽に語る。近代日本ベスト・スリーは「明暗」「流れる」「楢山節考」。そして青春小説、伝記小説、エロ小説の傑作とは?反時代的小説作家による文学の秘密と毒に満ちた危険な読書案内。
目次
文士の魂(三つの小説―明暗/流れる/楢山節考;青春小説―三四郎/青年;伝記小説―遠い声/象徴の設計/火の虚舟;大衆小説の読者―小説日本婦道記/断碑/坂の上の雲 ほか)
文士の生魑魅(病者の文学―晩夏/いのちの初夜/悲しいだけ;近代的自我の滑稽と悲惨―厭世家の誕生日/鼻/大導/寺信輔の半生/三匹の蟹;エロ小説―赤い帽子の女/四畳半襖の下張/浮世一代女;宗教と文学―或る聖書/鞭打苦行者/札の辻/異形の者 ほか)
著者等紹介
車谷長吉[クルマタニチョウキツ]
1945(昭和20)年、兵庫県飾磨生れ。広告代理店に勤務のかたわら、執筆した短篇の文芸誌掲載が機となり、以後20年余にわたって私小説を書き継ぐ。うち6篇を収めた『鹽壷の匙』(’92年刊)により芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞を受賞。他の作品に『漂流物』(’96年刊、平林たい子文学賞)、『赤目四十八瀧心中未遂』(’98年刊、直木賞)、「武蔵丸」(2000年発表、川端康成文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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