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新潮文庫
文士の魂・文士の生魑魅

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101385150
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

人の苦痛が一ト時の慰めを求めて手を伸ばすもの、それが文学。毒蛇になって人に咬みつくもの、それが作家。「文学の魔」に憑かれた著者が自らの読書遍歴を披瀝、作品百篇を取り上げその魅力を縦横無尽に語る。近代日本ベスト・スリーは「明暗」「流れる」「楢山節考」。そして青春小説、伝記小説、エロ小説の傑作とは?反時代的小説作家による文学の秘密と毒に満ちた危険な読書案内。

目次

文士の魂(三つの小説―明暗/流れる/楢山節考;青春小説―三四郎/青年;伝記小説―遠い声/象徴の設計/火の虚舟;大衆小説の読者―小説日本婦道記/断碑/坂の上の雲 ほか)
文士の生魑魅(病者の文学―晩夏/いのちの初夜/悲しいだけ;近代的自我の滑稽と悲惨―厭世家の誕生日/鼻/大導/寺信輔の半生/三匹の蟹;エロ小説―赤い帽子の女/四畳半襖の下張/浮世一代女;宗教と文学―或る聖書/鞭打苦行者/札の辻/異形の者 ほか)

著者等紹介

車谷長吉[クルマタニチョウキツ]
1945(昭和20)年、兵庫県飾磨生れ。広告代理店に勤務のかたわら、執筆した短篇の文芸誌掲載が機となり、以後20年余にわたって私小説を書き継ぐ。うち6篇を収めた『鹽壷の匙』(’92年刊)により芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞を受賞。他の作品に『漂流物』(’96年刊、平林たい子文学賞)、『赤目四十八瀧心中未遂』(’98年刊、直木賞)、「武蔵丸」(2000年発表、川端康成文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

69
車谷さんの変わった読書案内です。自分の昔の思い出などとともにそのころ読んだあるいは思い出とかぶる作品などを紹介してくれています。どちらかというと万人受けしないようなものが多いのですが私は比較的好みのものが多くあります。2015/08/23

harass

19
小説の読書エッセイ集の2つをまとめた本。著者が読んできた日本小説の紹介とその当時の生活と絡めている。おなじみのエグさがありこの著者のファンなら読んで損はない。著者が作家になるまでにどういう本を読んできたのかがわかる。解説にもあるがある種の作家をまったくあげていないのは興味深い。初めて聞いた作家のエピソードが多く楽しめて読めた。芥川龍之介の書いたとされる官能小説の抜粋があるが著者も指摘する通り本物なのか。うーむ。白洲正子だけが『さま』づけなのが面白い。2013/10/08

秋良

13
車谷氏の著作で既読なのは赤目四十八瀧心中未遂だけ。九割九分が創作とは思えない凄まじさだった。そんな人の文学エッセイ。紹介者が癖の強い昭和のオッサンだからか、私とはあまり読書傾向が被らなかったけど、萩原朔太郎は何としても読みたい!司馬遼太郎、山本周五郎、松本清張の読者は、それぞれ自分の境遇を反映して読む物を選んでいるとあったけど、じゃあ現実と幻の間に遊びながら生も死もごちゃ混ぜになってるの読んでウフフってなってる私は何なんだろうと思った笑2017/12/23

モリータ

7
(途中までですが)斎藤本からきたこともあるが、思わず、ありがたやありがたやと言いたくなる重みがある。そして無条件にこの人はかっこいいと言ってしまいたい。『赤目四十八瀧心中未遂』の慶應とモツ切りという対比が忘れられないというのもあるが、なにせ「私は殊にこの臨済録示衆章の「佛に逢うては佛を殺し……。」の章句を自分の銘にして来たので」って、虚勢でないことがわかるだけに伝わってくる凄みよ。2012/02/22

ニッポンの社長ケツそっくりおじさん・寺

7
好きな文章だ。これまた日本の文学が読みたくなる。2011/12/03

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