内容説明
営内殺人事件の処理、ソ連スパイ団検挙、小磯朝鮮総督の身辺警護、決死の検問突破、朝鮮半島の人々や在住日本人たちの優しい眼差し―。昭和16年に陸軍中野学校を卒業し、羅南憲兵隊勤務のために北朝鮮へ渡った著者が、昭和20年8月の敗戦とソ連軍侵攻ののち、九死に一生を得ながら朝鮮半島を南下、辛酸をなめながら博多港へ引き揚げてくるまでの迫真の実体験記。
目次
国境整備の憲兵として
日ソ開戦
青天の霹靂
さらば羅南よ
再会
白日夢
羅南憲兵隊の末路
国敗れて山河さえなし
敗残兵狩り
日本軍壊滅
赤鬼陵辱の惨劇
徳育の余恵
群羊の街
無念なり長蛇を逸す
危機一髪
国境を目指して
死線を越ゆ
帰心矢の如し
生か死か
著者等紹介
中島實[ナカジママコト]
昭和4年3月、鹿児島県赤生木尋常高等小学校2年卒業。昭和5年3月、大浦尋常高等小学校3年卒業。昭和5年4月、同村大浦青年学校(現在、笠沙高校)2年編入。昭和7年3月、大浦青年学校本科4年卒業。昭和11年4月、赤生尋常高等小学校用務員として就職。昭和12年6月、川崎市堀江町明治製糖株式会社入社。昭和14年3月、現役兵として甲種合格。昭和14年12月、朝鮮大邱第八十連隊に入隊。昭和20年10月、敗戦により、内地引き揚げ。昭和20年、赤生消防団青年団長を務める。昭和23年、鹿児島占領軍CIAに呼び出され、C級戦犯として公職追放される。昭和26年、上京。東都製鋼(現トピー工業)株式会社入社。昭和46年、同社退社と同時に中島ニットを創設。平成14年、中島ニット廃業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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