内容説明
鳶沢信一郎率いる交易船団がようやく越南に到着した。一行は政変時に離れてしまった総兵衛の母親今坂恭子の安否確認に総力を挙げる。一方、江戸では、丹石流の剣を遣う手練れの浪人筑後平十郎が総兵衛暗殺の刺客を請け負ったとの情報がもたらされた。平十郎は、稀代の名刀福岡一文字則宗に執心しているという。知恵者の小僧の忠吉は犬の甲斐を連れて何食わぬ顔でその長屋へと向かった…。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942(昭和17)年、北九州市出身。日大芸術学部卒。映画・テレビCMの撮影助手を経て、’75年より、カメラマン、ノンフィクションライターとして活躍。’76年『闘牛』を発表。’81年『闘牛士エル・コルドベス 一九六九年の叛乱』でドキュメント・ファイル大賞を受賞。’87年、初の小説『殺戮の夏コンドルは翔ぶ』を発表。以降、多数の国際謀略小説、ミステリ小説を執筆。’99(平成11)年、初の時代小説『密命』を発表。人間味溢れる人物造形、豊かな物語性、迫力ある剣戟描写等いずれも高く評価され、広範な読者の熱狂的な支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
149
もう15巻目になるのだなぁ。10代目になって3年。総兵衛の弟が不安分子かと思ったが、妹の方だったか・・が、それも今の自分の居場所を悟り、亡くなったと思った母とも再会が出来て重畳の巻だった。江戸の大黒屋には、また一人面白そうな者が加わったが、それは忠吉の働きがあってで、それが又良かった。安定のシリーズ、次は交易船に母を乗せて無事の帰港をお願いしたい。で、またまた事件か?2018/02/08
とし
109
新・古着屋総兵衛「故郷はなきや」15巻。富沢町と越南交互に物語が進み2倍楽しめましたね、勝臣さんと信一郎さんの祖伝夢想龍流、江戸にいる一族と交易船に乘る一族の活躍、総兵衛の弟妹の融和それに母との再開、鳶沢一族ではない陰吉、忠吉の仲間平十郎が仲間に加わり増々面白くなりますね、次巻は無事商いを終え惣兵衛の母をも連れて帰港するこが楽しみです。2018/03/08
優希
37
予定調和感は否めませんが、面白かったので良しとします。2022/08/20
雅
36
ベトナムに到着。母親を見つけ、交易を順調に進めていく。主役である総兵衛を絡ませるのに超能力みたいな事をさせなくてもいいのでは?新キャラの平十郎と忠吉の遣り取りが面白い2019/12/11
ドナルド@灯れ松明の火
16
なんかベトナム旅行記に感じた。地名国名などは現在の呼称のままで違和感がある。総兵衛の一族にかなりこだわっているのは何故か。もう4グループを統率しているのは既定事実なのだから、大団円に向かう布石なのだろう。2018/03/18