出版社内容情報
北村 薫[キタムラ カオル]
著・文・その他
内容説明
9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな―。どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。かつて自分が通った道をすこやかに歩いてくる娘と、共に生きる喜び、切なさ。やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。’93年から執筆に専念。読書家、本格推理ファンとして、評論、アンソロジーにも腕をふるっている
おーなり由子[オーナリユウコ]
1965(昭和40)年生れ。やわらかな絵と文による「絵の本」を作っている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
259
お話作りがお仕事のおかあさんと小学生のさきちゃんの優しい日常の物語です ただ途中に登場する聞き間違いや言葉遊びが「おやじギャグ」そのものなのはご愛嬌ですね(笑)2015/03/15
ナイスネイチャ
249
9歳のさきちゃんとお母さんのほのぼのした日常を描いた作品。本当に男性が書いたんだろうか?と。絵本のようで、ただ優しいさだけでなく切ない感じにもなるのはこの作家さんのなせる技なのか。ゆっくり噛み締めて味わいながら読ましていただきました。2015/11/08
mincharos
241
大好きな本。もう何度読んだか覚えてない。最近ザワザワ本ばかり読んでたので、ちょっと心をクリーンにしたくて久しぶりに再読。子供を産んでから読んだのは初めて!独身の時に読んだ時はきまって「私も子供とこんな親子になりたいな」と思ったけど、今読んでみると「子供との今を大事にしよう」と思えた。お母さんとさきちゃんのそれぞれの、母子家庭ならではの複雑な気持ちも見え隠れして、切なくなったり。聞き間違いなんて、その時はクスリと笑っても、きっとすぐに忘れちゃう。私も子供の今ならではの言い間違い、きちんと残そうと思った。2017/11/20
はっせー
208
春の木漏れのような温かい作品!9歳のさきちゃんと作家のお母さんを中心とした12の短編。どこに感情移入するかによって読み方が違ってくると思う。そのため読む人によって感じ方が違う。さきちゃんのような子供だったなと思う人。さきちゃんのような子供がもういまは大人になってたなと思う人。色んな感じ方がある。そう感じる理由は日常のひとコマを切り取ったような話が多いからだ。なにも起きないが、温かく優しい時間が過ぎる。読んでいて心地よい。日常は意識しないと簡単に過ぎていく。この本を読むと日常の豊かさを感じることが出来る!2021/08/22
ユメ
198
読み始める前から、きっと私はこの本が好きだと感じていた。元々北村薫さんの文章もおーなり由子さんの絵も好きなのに加えて、『月の砂漠をさばさばと』というタイトル。好きになることを約束されたような語感だと思った。そして、読んでみたらやっぱり好きだった。ひらがなのようなやさしさで、じんわりとやわらかく色づけられた物語。さきちゃんとお母さん、それぞれの感性が重なり合って生まれる温もりが今の私に必要なものだったのだと思う。私もこんな「二人」になりたい。さきちゃんも私も、ずっと「さばのみそ煮」を覚えていられたらいいな。2015/08/31
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