内容説明
大好評アンソロジー『Ｓｔｏｒｙ Ｓｅｌｌｅｒ』番外編の登場です。江戸時代を舞台に河童や妖が活躍する畠中氏の力作、仁木氏の大人気僕僕先生スピンオフ、森見氏が綴る四畳半王国秘話、そして宇月原氏が満を持してお届けする、竹取物語に想を得た「赫夜島」など。気鋭の新人から、濃密な異世界を生み出してきたベテランまで８人の豪華競演をお楽しみ下さい。全く新しい大人のためのファンタジー小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
146
８人全員ファンタジーノベル大賞や優秀賞受賞者のアンソロジー。森見さん目当てで読みましたが、エッセイとはｗ。『四畳半』の短編を期待していました。しかし、ストリーセラーの姉妹編としても、予想以上でした。ファンタジー小説だけあって、それぞれの作品の時代や場所が千差万別で面白く、アンソロジーにはファンタジー小説が向いているのかもしれないという気がしました。畠中・仁木・紫野・石野・宇月原さんの作品がお勧めですが、特に畠中さんの『太郎君、東へ』の河童の大親分禰々子の話は面白く、読みたい作家がまた一人増えました。2012/03/27
ちはや＠灯れ松明の火
127
あなたに夢を売りましょう。生き慣れた今を一時忘れて、別の世界を漂って。ある時あなたは河童、関東の大河に浮世の打算が澱むのを見つめる。またある時は高校生、校内に棲む不思議生命体とささやかな友情を育む。水を操る竜の王に謁見し、悲運の軍艦の慟哭を聞き、売り飛ばされた姉弟や恋に破れた貴公子たちの哀れな末期を知る。夜をすり抜ける暗いバスの中で囁く壊れた声、あなたはこの夢が覚めるようにと瞼を開ける。けれど途切れぬ夢は放浪するあなたを煙に巻き、無限の四畳半世界へと閉じ込める。夢なんて、居心地がいいだけではないのですよ。2012/10/01
財布にジャック
107
日本ファンタジーノベル大賞や優秀賞をとられた作家さんばかりの、超豪華な短編集でした。畠中さんと森見さん目当てで購入したのですが、むしろ初読みの石野さん、仁木さん、堀川さん、柴野さんにすっかり魅了されてしまいました。その中でも「スミス氏の箱庭」が特に好きです。まだまだこんなに凄い作家さんがいたんだぁと、得した気分です。早速、その方々の作品を読みたくなりました。遠田さんや宇月原さんも興味深い題材のお話で、ナイスでした。新潮社さん、２も３も出して欲しいです。2011/06/13
けい
90
日本ファンタジーノベル大賞における、大賞、優秀賞を受賞した作家8名がズラリ揃い踏みで構成される作品。既読の作家さんは4人、未読の作家さんが4人という形でしたが、仁木さんの作品は僕僕先生の中で既読でした。ファンタジーという括りでも、これだけ時代、構成、場所があるのかと。レベルが高い位置で揃った、いい作品群で面白かった。森見さんの作品はいつも通りの？ぶりでした。2014/06/07
アイゼナハ@灯れ松明の火
89
ほとんど初読みの作家さんばかり！８個のもうひとつの世界が味わえるアンソロジー。畠中恵さんは短篇なのに自然に河童の世界に引き込まれる感じが素晴らしい。あと禰々子姉さんが男前！仁木英之さんは『僕僕先生』シリーズをやはり読まねば、と思いました。宇月原清明さんの伝奇モノも一度長編にチャレンジしなきゃね…そして今回一番のお気に入りは石野晶さん『スミス氏の箱庭』。学校を今訪れても、そこには自分たちが主役で過ごした時間はもう流れてなくて（当たり前なんだけど）新しい人たちの時間が流れてるんだよなーと思うと、何か不思議。2011/07/03
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