内容説明
上司に嫌気がさし一流企業の総合職を捨てた貴奈子は、叔父が主宰する鳶集団「有限会社日本晴れ」を手伝い始めた。でも鳶って何?軍事オタクの双子、受験偏差値マニア、刑務所帰りの男にその生意気な娘…。貴奈子は一癖ある面々に当惑する。だが、己の意地を賭け、巨大彫刻を取り付ける損得抜きの大仕事に命を張る鳶達の姿に、貴奈子の胸は熱くなる。粋な心意気に気分は日本晴れだ。
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961(昭和36)年、福岡生れ。イラストレーター、マルチクリエイターを経て、小説家となる。『凶気の桜』でデビュー
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感想・レビュー
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優希
40
鳶のことはよく分かりませんが、登場する人たちが一癖も二癖もあるのが面白かったです。損得無しの大仕事に命をかける鳶たちが格好良い。熱い作品でした。2024/04/08
西澤 隆
5
ふと仕事をさぼって隣町のシネコンまでいったらたまたまこの映画をやっていて客がひとりの小さい小屋で見たのを思い出した。ホントに女の子縛り付けて吊ってたなあ、観月ありさ足長かったなあ、壁につけたアート張りぼてだったなあ…と、そんなことしか覚えていない軽い映画だったけれどあらためて原作を読んでみると学生運動世代のその後~、冷戦構造の終結以降の~、学歴社会の歪みの~、モダンアートのいびつさ~などいろいろ重いテーマが突っ込んである。物語の転がりにそれらがちゃんと溶けてないのはしんどいけれど意気込みは伝わってきました2018/09/05
こやま
3
面白い。凶気の桜の印象が強すぎて、ヒキタクニオ=バイオレンスというのがどこかにあったので、意表をつかれたかんじで新鮮に読めた。あと、凶気の桜の兵藤がちらっと出てきました。2010/12/17
narco
2
ひょんなことから、変わった職場に流れ着いたキナコ。。そこには個性的な面々がいて、カルチャーショックを受ける。 鳶という職業を興味深く垣間見ることができました。。今の時代、自分個人や生活の質というものを追い求め、会社や仕事に誇りをもてない世の中ですがそんな中でも昔から脈々と、誇りと粋を受け継ぐ鳶にしびれます。。 日本人としての心をくすぐられる作品でした。2010/10/11
ken-chang
1
既読2018/08/30