新潮文庫
釈迦物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101352237
  • NDC分類 182.8
  • Cコード C0115

出版社内容情報

29歳で城を捨て、狂気の苦行を経て、中道を歩むことを発見し、35歳にして悟りを開き、大教団を形成した釈迦の波瀾の生涯を描く。

王妃の右脇から生まれ出て男児は七歩あゆみ「天上天下、唯我独尊」と宣言した。二十九歳になった王子は、城を捨て、悟りを得るための修行の旅に出た。苦行に次ぐ苦行の果て半死半生の中、天啓の如く「中道」の概念が閃き、さらなる修行の末、三十五歳で悟りを開く。五人の修行者から教えを広め、やがて大教団が形成されるに至る。釈迦の波瀾の生涯を描いて、仏教の本質に迫る名著。

内容説明

王妃の右脇から生まれ出て男児は七歩あゆみ「天上天下、唯我独尊」と宣言した。二十九歳になった王子は城を捨て、悟りを得るための修行の旅に出た。苦行に次ぐ苦行の果て半死半生の中、天啓の如く「中道」の概念が閃き、さらなる修行の末、三十五歳で悟りを開く。五人の修行者から教えを広め、やがて大教団が形成されるに至る。釈迦の波瀾の生涯を描いて、仏教の本質に迫る名著。

目次

王舎城に来た沙門
無憂樹の花の下で
若き日のシッダールタ太子
苦行から中道へ
「悪魔よ、汝は敗れたり」
梵天による三度の懇願
はじめて法輪を転ず
「青年よ、ここに来るがよい」
「伝道の旅に出よ」
ビンビサーラ王との再会〔ほか〕

著者等紹介

ひろさちや[ヒロサチヤ]
1936(昭和11)年、大阪府生れ。東京大学文学部印度哲学科卒業、同大学院博士課程修了。気象大学校教授として長年にわたり哲学を講じる。旺盛な執筆・講演活動で仏教哲学の啓蒙家として知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

28
(再読)とにかくも平易な文章で釈迦の一生を描いた物語。いささかボリュームにかけるところはあるが、半日ほどで読めてしまうというのは魅力でもある。基本的に大乗の立場で描かれているが、人間ゴータマを垣間見ることもできる。しかし、真の人間ゴータマを知るのは彼だけ。こうして我々が読んで知るゴータマは印象であり、ある種の神格化が必ず行われる。であるなら、大乗と小乗の意味もはっきりするような気がした。仏教について基本を学びなおせたが、最も心に響いたのは、子どもを亡くした母、クリシャー・ガウタミーにかけた釈迦の言葉だ。2018/10/27

雛子

12
釈尊の生涯について、ルンビニーの園で生まれ出でられる時からクシナガラの沙羅双樹の間で入滅されるまで。とてもシンプルに読みやすくまとめられてあった。仏教徒にはおなじみのあれこれの伝説の類も織り交ぜながら、人間・ガウタマ・シッダールタとしての姿が描かれていて。他の仏弟子たちの姿も実に人間的で、読んでいて違和感がなかった。チュンダの供養とそれをお受けになられる釈尊の姿には、ひときわ強く胸を打たれる。インチキくさい説教より、染み入るものがある。2012/05/15

パブロ

6
伝説としての釈迦の話ではなく、限りなく生身に近いシッダルタとしての物語。伝説では超人ブッタとしてこんな話があるけれど、ホントはこんな感じに苦労したんじゃないかな〜と、さりげない口調で淡々と読者に語りかける文体は、好感が持てる。古代インドにおける新興宗教・仏教がどのように広がっていったのか、なんてのも興味がつきない。でも、やっぱりキモは、生老病死の四苦の説明。でも、これを読むと、ままならないことにてこずったのは、ブッタも同じだったんだな〜なんて遠い目をしたりしちゃいました。2012/06/12

櫛部晃季

5
ひろさちやの書く文章は分かり易い。総評するなら、中学生以上の人に向けてのお釈迦様物語。日本の仏教が大乗仏教の系譜になるからと後書きに書かれている通り、脇の下から生まれたり、川の上を歩いたり、死んだ母に会いに行ったりと、スーパーマン的要素を多く取り入れて釈迦の一生を簡潔に書いてある。手塚治虫の『ブッダ』と併せて読むと更に面白いのではないだろうか。最近、鈴木大拙等分かり難い文章を読んでいたから、基本に立ち返れる良い本だった。自分にとって親しみやすい仏教関係の著者は『ひろさちや』と『中村元』なのであろう。2012/08/28

イプシロン

4
ひたすら分かりやすく、という配慮には爽快感がある。登場人物(弟子)が多いのでそこは読むのに記憶力を必要とする。唯物論的人間釈迦と唯心論的超人釈迦の両面を上手く中道(両極端とならず)に描いているのが良い。だが、その中道も中間ということではなく、各人のもつ個性によって中間の位置が違うという指摘には驚かされた。「いま・ここ」にある自分を意識し、意識している自分を意識する。三層構造で自分を見る。これが本当の中道ということだろう。言うは易く、行うは難し(笑)。これができたら、「いま・ここ」で楽しく暮らせそうだ。2013/05/19

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