内容説明
日本をダメにしたのは誰か(「元凶は大蔵省」)。つぶれるはずの銀行をまだかばっている。相変わらず外交は弱腰で(「詫びるどころか恩にきせる」)、だからといって反省もしない(「政治家に聖人君子を求めるな」)。家庭を見れば、母子共々日本語が怪しい(「読めない書けない話せない」)―ごらんの通り、時代を超えて響きます。人呼んで「史上最強のコラム」、健在ナリ(平成3年~7年の150編を収録)。
目次
教育の普及は浮薄の普及
家のなかに他人がいた
はじめにレイアウトありき
せめて裏おもてあるべし
お互に辛抱はするもの
オナペットとは驚いた
いかにいますちちはは
こないだ雨夜の品さだめ
坪一億になって
声はすれども姿は見えぬ〔ほか〕
著者等紹介
山本夏彦[ヤマモトナツヒコ]
1915(大正4)年、東京下谷根岸生れ。詩人・山本露葉の三男。少年期に渡仏後、’39(昭和14)年24歳のとき「中央公論」に「年を歴た鰐の話」(L.ショボー原作)を発表する。’55年雑誌「室内」を創刊。’84年に菊池寛賞を受賞。’90(平成2)年に『無想庵物語』で読売文学賞を受賞した
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感想・レビュー
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うりぼう
3
写真が加わって、さらに面白い。それでも、氏は、日本と日本人が好きなんだよな。2002/07/18
あみか
1
ものごとを順番に正しく考えるという事を教わる。2016/08/22
筋肉痛
0
内容も好きだが、文章が上手いと思った。 2015/05/21
横丁の隠居
0
平成3-7年のコラムである。当時でさえ眉をひそめる人がいただろう。今ではもっと通用しまい。昭和人の気骨を感じる心地よい文章である。この人とは喧嘩したくない。2015/05/17
荏苒 byn
0
大正4年生まれ。氏が去って、不偏不党理論派反骨論客が、居なくなった感。中身はバブル弾け後。笠智衆大嫌い。新聞批判。ゼネコン批判多数、電通博報堂嫌い。既に、朝日新聞は第5列(国内に有りながら、敵に加勢する48)。実に、先覚者である。慧眼の士。一方、官能風「~遊ばせ」談98。性は醜いむさい・・陰湿襞・・男は何者かがあると・・141 。何事にも、人を納得させる斬新な視点がある。本が残っているから、今尚、日本人の精神形成をリードする存在。旅向きの最適本の一つ。「賤業中の賤業新聞やテレビが、口真似225」2019/09/20