出版社内容情報
新しいお母さんができたケンタ。じつは誰にも言えない秘密があって……家族にとって大切なものを考える「ケンタの背中」。ほかに、先生から言われた〝ふつう〟という言葉について悩む「いちばんきれいな空」や、知らなければよかったことを知ってしまいどうすればいいか迷う「おねえさんが教えてくれた」など10編。教室で、グラウンドで、帰り道で――言いあらわせなかった気持ちが見つかる短編集。
【目次】
内容説明
新しいお母さんができたケンタ。じつは誰にも言えない秘密があって…家族にとって大切なものを考える「ケンタの背中」。ほかに、先生から言われた“ふつう”という言葉について悩む「いちばんきれいな空」や、知らなければよかったことを知ってしまいどうすればいいか迷う「おねえさんが教えてくれた」など10編。教室で、グラウンドで、帰り道で―言いあらわせなかった気持ちが見つかる短編集。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963(昭和38)年、岡山県生れ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。’91(平成3)年『ビフォア・ラン』でデビュー。’99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、同年『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で直木賞、’10年『十字架』で吉川英治文学賞、’14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。現代の家族を描くことを大きなテーマとし、話題作を次々に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カール
14
子どもたちが感じる日常のちょっとした理不尽さに焦点が当てられた作品。短いけど「しあわせ」が一番心に残った。認知症の祖母のことを「おばあちゃんはしあわせなのかな」と問う子ども。果たして自分ならどんな事を言うだろうと考えながら読んだ。2025/07/30
さく
13
新潮文庫100冊。読みやすかった。2025/06/30
BamgB
6
児童書の様だが大人でも読み応えがあった。小学生の視点で世の中の理不尽な問題を考えていく。正解のない事が多く、グレーゾーンを波風たてぬようにやり過ごしていく事が多々あるが、敢えてそこを深掘りしていき、答えを考えさせる本。『しあわせ』認知症のおばあちゃんはしあわせなのかと問う息子に「置かれた場所で幸せを見つける」のだと言い聞かせながら実は自分にもそう言い聞かせている父親。答えではなくて現実を優先させなければならない切なさがほんの数行で書かれてあった。泣かされました。2025/07/26
えこり〜ぬ
3
とても爽やかな作品。心が疲れている人も、元気な人も安心して読めます。小学生高学年に特に読んで欲しいかな。大人にとっても、心を正してくれる作品。2025/07/12
Sachiko
1
久々の重松清作品。ちょっとした、たまにちょっとしたを超えた「モヤっと」を心に抱えながら誰もが生きてると私は思う。そのモヤっとの先が、コロナのようなどうしようもないぶつけどころのない外的要因だったり、それに奪われた自分のあるはずだった日常だったり、はたまた、仲間や味方だと思っていた人の、自分が想定してない望まぬ一面であったり。誰もが抱える心の微妙な動きを見事に描写しながら物語に落とし込んだ本作。まるで手に取るようにその気持ちが理解できたり共感できたり。だからこそ辛かったり一緒に怒ったり。さすが重松清作品。2025/07/22