内容説明
三菱商事の一社員のひらめきからはじまったSoup Stock Tokyo。食の素人が熱意だけで立ち上げたこのブランドは、いまや数十店舗を構え、急速な成長を続ける。しかし、その陰では数々の困難が立ちはだかっていた。社内ベンチャーとしての壁、スープ開発の苦悩、難しい店舗選び―。その企業理念が多くの共感を呼ぶ、今一番熱い会社の起業物語。
目次
第1章 成功することを決めた
第2章 Soup Stock Tokyoの誕生
第3章 動き始めたビジネス
第4章 つきつけられた現実
第5章 スマイルズの人々
第6章 振り返りと、これから
著者等紹介
遠山正道[トオヤママサミチ]
1962(昭和37)年東京生れ。慶応義塾大学卒。’85年、三菱商事に入社し、国内建設部、複合機能サービス推進室にて勤務。日本ケンタッキーフライドチキン出向後の’99(平成11)年、Soup Stock Tokyo第一号店をお台場ヴィーナスフォートに開店。2000年三菱商事初の社内ベンチャー企業「株式会社スマイルズ」を設立し、代表取締役社長に、’05年会長に就任。’06年には、ネクタイ専門ブランド「giraffe」をスタートする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうゆう
3
ストーリーを持った事業は強い!ストーリーとは信念だから、芯が通った企画は強い!が、企業風土的に昭和がにおう(笑)言い意味で。soupstock大好きなので、これからも応援してます!2015/10/12
デビっちん
3
スープ・ストック立ち上げの話。スープは、感度やコミュニケーションを共有し、共感する一つのアイテム。感度を共有した仲間たちとともに、新たな提案を世に問い「共感」を得ることに価値の連鎖があると著者は考えている。現場に身をおいて、「なんでこうなっちゃうの?」という疑問を大切にする。品質について、「正」という字は「一」と「止」という字の組み合わせ。基準の「一」があるからこそ、正しいという概念が生まれてくる。現場での体験とマネジメントの経験等、とても参考になり面白かった。共感を高めるためにできることは?2015/01/27
my
2
著者の斬新な企画書が脳裏から離れません。自分の主張をつらつら述べるのではなく、お店を人に例えたり、ペルソナの世界を再現させてみたりと、企画書は相手とイメージを共有するツールであることを認識させられました。著者のこだわりようは、以前読んだUSJのハリーポッターや後ろ向きで走るジェットコースターを手がけた方の とにかく自分のこだわりは捨て、相手のニーズにコミットする姿勢と非常に対照的な印象を受けました。いずれにせよ、人が考え抜いたものの向こうには人の心を動かすなんらかの真理があるのかもしれません。2015/08/04
チョコろん
2
「おしゃれにかっこよく仕事がしたーい!」という情熱7割、自身と親の代から続くコネ・金2割、その他1割で成り立ってる会社な印象。企業としての方針が抽象的で(それが売りだけど)、潤沢な資金が無かったら回せない企画だ。その意味で、頑として三菱商事と繋がりを切らなかったのは賢いと思う。ただ、スマイルズに身を投じる勇気が無かったのも明らかだ。。起業家(?)の本ではあるものの、裸一貫から身を起こそうとしている人には参考にならない。全体的におしゃれでかっこいいことばかり。かっこ悪いことも臆せず書いてほしかった。2013/02/12
西澤 隆
2
ビジネス本というのはどこかうさんくさいもの。「これで目の前が開けた!」と単純に思えるようでは考えが足りない。でも「こんなふうに行くもんか」とすべて却下してしまう感受性だと、実は批判ばかりでなにもはじめられない。だから、高揚感と懐疑心をほどよく取り混ぜて読むことが大切なのです。そういう意味では、この本は文庫がベスト。本編のスマートな成功談と「その頃が実は一番つらかった」と告白する文庫版あとがき。スープストックトーキョーの創業者のぼんぼん度を少々うらやましく思いながらの読了です。中に出てくる企画書はいいです。2012/07/04