内容説明
東京都監察医務院の監察医として、数多くの殺人死体の解剖を手がけてきた著者。その経験に裏打ちされた眼は、迷宮入りの代名詞ともなった芥川龍之介の『薮の中』にさえ、真犯人を発見してしまう。他に、探偵小説の祖・ポーや性の深遠を描いた文豪・谷崎潤一郎などの文学作品、また帝銀事件や下山事件など、未だに歴史上に謎を残す事件死体に挑戦する。
目次
序章 現代ミステリーと法医学―森村誠一「精神分析殺人事件」の刺殺事件と、横溝正史の『犬神家の一族』の連続殺人に触発される
第1章 あの迷宮入り小説に真犯人がいた―芥川龍之介『薮の中』の刺殺事件を解剖する
付録 「薮の中」(芥川龍之介作)
第2章 探偵小説の原点とマスコミ報道―ポー『マリー・ロジェエの怪事件』の水死体を探る
第3章 文豪が書いた「性」と「死」―谷崎潤一郎『鍵』の性交死を研究する
第4章 日本史にみる毒の系譜―松本清張『日本の黒い霧』の毒殺死体に学ぶ
第5章 昭和史最大の謎の死体―矢田喜美雄『謀殺 下山事件』の轢死事件に挑む
終章 世界最古の法医学書と死者の人権―宋慈『洗冤録』の焼死体を看破する
著者等紹介
上野正彦[ウエノマサヒコ]
1929(昭和4)年、茨城県生れ。医学博士。元東京都監察医務院院長。東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室を経て、’59年に東京都監察医務院監察医となる。’84年から同院長となり、’89(平成元)年退官。退官後に出版した『死体は語る』は65万部を超える大ベストセラーになった。現在は法医学評論家として執筆、TV出演など、多彩に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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