内容説明
冷たい雨の夜だった、池内峻介は傷ついた女を拾った。彼女は江田美也子。公にされてはならぬ情報を握っており、政治家から追われているという。男と女による風変わりな物語が幕を開ける。冒頭は喜劇であり、やがて悲劇へとその名を変えた。権力をめぐる暗闇が出会うはずもなかった二人を引き寄せたとき、運命の歯車は軋みながら廻りはじめる―。名手が想いを込めた、恋愛長篇。
著者等紹介
志水辰夫[シミズタツオ]
1936(昭和11)年、高知県生れ。’81年、『飢えて狼』でデビュー。巧みなプロットと濃密な文体で、熱烈なファンを獲得する。’85年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞を受賞。’91(平成3)年『行きずりの街』で、日本冒険小説協会大賞を受賞する。さらに、2001年『きのうの空』で、柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アルゴン
3
★★★ それなりに緊迫感はあり楽しめましたが、あまりに過去を省略しすぎ。もちろん芸術作品である以上、読者の想像にゆだねる部分を多くするのは自由ですが、「変わる」ところを書くなら、比較対象を書いてもらわないと感情移入ができません。峻介の覚悟がものすごく薄っぺらく感じました。2015/01/29
_aesop_
1
相変わらず前半部分が面白い。2016/04/11
Cazuo Tanaka
1
古い本だが面白かった。流石、シミタツだ!大人のスケコマシと政治家の収賄資料を持ってる女の物語だった。冒頭の場面に芝浦操車場跡が出てきた。おっ、会社の傍じゃん。汐留操車場は覚えているが、芝浦操車場は知らなかったな・・・そんな、親近感があり、あっと云う間に読み終えてしまった。2014/09/26
あすなろ
1
嫌いではない。好きな方。しかし、どうも、ハードボイルドと考えると、もう一味と思ってしまうのである・・・。 2013/08/05
あつこ
1
読んでて主人公がどうしたいのか全然わからなかった。話もどういう話を書きたいのかわかんなかったけど読みきってみると、俊介の心の変化をそのまま書いたのかと納得。2011/10/18