出版社内容情報
奥田 英朗[オクダ ヒデオ]
著・文・その他
内容説明
旅はいい。感じる風がいつもとちがう。ただし、わたしは無精者である。誰かに背中を押してもらわないと出かけられないのだ―。旅雑誌の企画に乗り、さまざまな港町を船で訪れることになった作家・奥田英朗。その行く手には、美女と肴と小事件が待ち受けていた!土佐清水、五島列島、牡鹿半島、佐渡島、ちょいと足を伸ばして釜山。笑い、毒舌、最後はしみじみの、寄港エッセイ。
目次
第1便 美人ママに叱られたい―高知・土佐清水篇
第2便 謎の生物VS.美人女医―五島列島篇
第3便 名もない小説家、ひとりたたずむ―宮城・牡鹿半島篇
第4便 N木賞などおかまいなし―韓国・釜山篇
第5便 食い意地のせいなのか?―日本海篇
第6便 極寒の孤島に閉じ込められて…―稚内・礼文島篇
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959(昭和34)年、岐阜県生れ。プランナー、コピーライター、構成作家などを経験したのちに、’97(平成9)年、『ウランバーナの森』で作家としてデビュー。2002年『邪魔』で大薮春彦賞を、’04年、『空中ブランコ』で直木賞を受賞する。’07年には、『家日和』で柴田錬三郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
109
奥田さんの旅のエッセイ。小説は数冊読んでいるがエッセイは初めてです。船を使って旅に乗り込むと言う時間のない現代人にはとても羨ましい企画。到着するのも必然と港町になりますがどの町も人情に溢れていて心地よい。奥田さんの飾らない人柄が港町にぴったり。時間に拘束されない旅は羨ましい。2016/09/25
猿吉君
97
船に乗って国内を旅行して美味しいものを食べるという旅行記、全体的にほのぼのしたテイストで読んで嫌な気持ちに全くならない楽しい作品でした。①奥田さんが船酔いにならない体質というのが一番のキモ(笑)②直木賞作家なのに船室がアレというネタはお約束③各地の美味しいものとお酒、そりゃ文句のつけようがないです。点数75/100→週末の昼にビール飲みながら読むと最高です(笑)2021/02/02
アッシュ姉
80
2015年は奥田さんの『用もないのに』から始まったので、〆はやっぱり奥田さんのエッセイで。ナイスセレクト。めっちゃ面白かった~。様々な港町を船で訪れて、わしわし食べて、ほっほっほと笑う。貪欲な食欲につられ、こちらのお腹も空く空く。おいしいものを食べるとそれだけで幸せになりますね。お酒もね。大海原をステージにデッキで一人で踊ったり、ウミネコの餌やりに腕が痛くなるほど夢中になっちゃう奥田さんがベリー可愛い。遠くへ行って素直になりたい。充分素直なオクちゃんでしたよ。プライベートな面も見れて、大満足な一冊でした。2015/12/30
再び読書
79
作家冥利の仕事に思います。庶民はなかなか休みも取れなく馬車馬の如く働かされています。でも無責任に楽しんでしまえ、と割り切っているところもまた面白い。奥田氏は作品同様、エッセイも不思議な感性で楽しい。また船旅プラスグルメとというより食べ散らかし感ももなぜか心地よい。今回も面白く読みました。2014/02/03
タツ フカガワ
71
高知県土佐清水に始まり、長崎県五島列島、宮城県牡鹿半島、韓国釜山、新潟県佐渡島、北海道礼文島まで, 各港を船で訪ねて食べ飲むユーモアあふれる旅エッセイ。〈「生きがい」だの「自分探し」だのというのは、現代病の一種〉という精神科医伊良部先生のような一文もあれば、就眠中にムカデに刺され治療に当たった女医さんに一目惚れという場面も。なかで潮の香りが行間から立ち上ってくるような五島列島福江島の一編が旅心をそそりました。2023/12/11
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